ホーム ブログ ページ 121

観覧車による宇宙船体験コンテンツを展開 宇宙万博2022 inオオサカホイール

大阪万博跡地のEXPOCITYに立つ高さ日本一の大観覧車「オオサカホイール」(EXPO観覧車合同会社)は2022年3月26日から5月8日までの期間限定で「宇宙万博2022 inオオサカホイール」を開催する。

宇宙をテーマにしたコンテンツを楽しめる春のイベントで、観覧車は月面着陸を目指す宇宙船「スペースホイール」仕立てとなる。コンテンツは「amulapo(アミュラポ)」が開発。XR、ロボット、AIなどICT技術
を用いた本格的な月面着陸ミッションを提供する。

人類の宇宙開発や月面探査の歴史紹介、日本の主力大型ロケット「H-IIAロケット」や「イプシロンロケット」の1/20模型の展示などJAXA所有の本格的な展示も実施。宇宙グッズの品揃え日本一を誇る「宇宙の店」と「宇宙万博」が期間限定のコラボショップをオープンし、宇宙食やJAXAグッズなど販売する。また、“宇宙や月”をテーマにした限定フードも販売。

スペースホイール搭乗者限定で、周遊スペースでスマホのAR機能を使った月面探査の体験コンテンツも実施する。

期間限定のスペシャルイベントとして3月26日から4月7日までの春休み期間と、4月29日から5月8日までのGW期間に小学3~6年生を対象に「バーチャル宇宙飛行士選抜試験」を開催。バーチャル国際宇宙ステーション(ISS)を舞台に宇宙飛行士になるための能力が問われる選抜試験へ挑戦できるプログラムとなっていて、船外活動、船内実験、宇宙食など従来の試験に比べてより実践に近い内容の試験を体験することが可能。

企画・プロデュースはイベント企画会社のテー・オー・ダブリューが担当した。

41カ国から1461社が出展、新企画フローズンアワード実施 FOODEX JAPAN2022

日本能率協会(JMA)ほか4団体は2022年3月8日から11日までの4日間、千葉・幕張メッセでアジア最大級の国際食品・飲料展「FOODEX JAPAN2022」を開催する。

第47回となる今回、41カ国・地域から1461社1787小間が出展(2月22日現在)。付加価値の広がりを見せる「フローズンフーズ」や、SDGsの観点からも注目されている「代替食品」、近年注目を集める「フードテック」など食のトレンドに焦点を当てる。

3ホールの日本食輸出展には高付加価値な日本産食材の輸出拡大に向け、常温で長期保存が可能なハラル対応の「本格生らーめん」やグルテンフリーの「野菜餃子」、西洋料理など和食以外のジャンルの料理にも日本の醤油が生かせる「透明醤油」のほか、海外のニーズを取り込んだ商品が多数出展。

4~5ホールのFOODEX TECH ~食の生産性向上・流通合理化展~では生産性向上に寄与するAIを活用した品質検出器や、脱プラやフードロス削減などSDGsの取り組みに寄与する環境にやさしく機能性のある紙製の食品容器、天然素材を使ったカトラリーやストローなどが登場。近年注目を集める「フードテック」に関連した商品開発を行う大学発ベンチャーの事例発表ブースも出展される。

6ホールの代替食品・新素材ゾーンには大豆原料を使用したプラントベースミートをはじめ、植物性チーズ代替品、アレルギーやグルテンを含まないオートミール粉などが出展。5~6ホールのフローズンフーズではミールキットやスイーツ、代替食材を使用した商品など、付加価値の広がりを見せるフローズンフーズの魅力を発信。

また、前回までの「美食女子アワード」がリニューアル。新たにFOODEXフローズンアワードとして、バイヤー100名が選んだ新たなる魅力・価値のあるフローズンフーズのグランプリを発表。表彰式を6ホールにて執り行う。

会期初日には幕張メッセ2階中央エントランスでコロナ禍以降初となるオープニングセレモニーも開催。3年ぶりのテープカットを行う。世界26カ国・地域の大使をはじめ関係官庁・団体が参加し、アフターコロナに向けた業界の再出発を宣言する。

今週の展示会スケジュール(3/7~3/13)

3/7~3/13 開催の展示会

▽千葉

3月8日(火)~11日(金)
幕張メッセ
FOODEX JAPAN 2022(国際食品・飲料展)
https://www.jma.or.jp/foodex/

▽東京

3月9日(水)~11日(金)
東京ビッグサイト
東京ケアウィーク
・CareTEX東京’22 [国際]介護用品展/介護施設産業展/介護施設ソリューション展
・第3回在宅医療総合展(HOME Care)
・第5回[次世代]介護テクノロジー展(Careテクノロジー)
・第5回超高齢社会のまちづくり展(CareCITY)
・第3回健康施術産業展東京(からだケアEXPO東京)
・第2回介護予防総合展(ヘルスケアJAPAN)
http://careweek.jp/

3月9日(水)~11日(金)
東京ビッグサイト
第19回国際オートアフターマーケット(IAAE)
https://www.iaae-jp.com/

3月9日(水)~12日(土)
東京ビッグサイト
2022国際ロボット展(iREX)
https://biz.nikkan.co.jp/eve/irex/

3月11日(金)~13日(日)
東京国際フォーラム
アートフェア東京2022(AFT)
https://artfairtokyo.com/

▽京都

3月9日(水)~10日(木)
みやこめっせ
第3回京都インターナショナル・ギフト・ショー2022
https://www.giftshow.co.jp/kigs/

▽大阪

3月8日(火)~10日(木)
インテックス大阪
関西 農業Week
・第5回関西6次産業化EXPO
・第5回関西農業資材EXPO
・第5回関西スマート農業EXPO
・第2回関西畜産資材EXPO
https://www.agriexpo-osaka.jp/ja-jp.html

3月8日(火)~10日(木)
ATCホール
DX -デジタルトランスフォーメーション- EXPO(大阪)
https://www.newnormal-expo.jp/

新しい生活様式 EXPO
https://www.newnormal-expo.jp/lifestyle

3月9日(水)~11日(金)
インテックス大阪
インターフェックスWeek
・第8回 インターフェックス 大阪 医薬品・化粧品 製造展
・第2回ファーマラボ EXPO [大阪]医薬品 研究・開発展
・第1回フードテック ジャパン [大阪]
・第8回再生医療EXPO[大阪]
https://www.interphex-osaka.jp/

▽沖縄

3月9日(水)~10日(木)
沖縄県市町村自治会館
第6回「農水産業支援技術展」沖縄
https://supportokinawa.com/

【レポート】東京ドーム過去最大のリニューアルで顔認証導入&完全キャッシュレス化

東京ドームは2022年3月1日、過去最大のリニューアルを終え、2日からのオープン戦に先駆け報道陣を対象に内覧会を実施した。

場内では完全キャッシュレス化と顔認証技術を本格導入。場内の全売店、客席販売、チケットカウンターなどで脱現金へのシフトを図る。接触機会を減らすことで感染対策を強化するほか、売店等での待ち時間が短縮も期待される。「DXサポートデスク」を設置し、初めてキャッシュレスを利用する人へのサポートも行う。顔認証ではパナソニックシステムソリューションズジャパンの技術を利用し、事前登録した顔画像により入場や決済ができる「facethru(フェイスルー)」を導入する。Suicaによる入場も可能。

 

グラウンドには単体面積として国内スタジアム最大規模のフルカラーLEDメインビジョン(横幅約125.6m、面積約1,050㎡)を設置。従来から約4.4倍に拡大し、画質面においてもメインビジョンとしては国内プロ野球場最高レベルとなり、高精細映像演出を実現する。送出制御システムにより音楽や照明と連動した演出表現、アニメーションなど特殊効果のほか、外野フェンス上部リボンビジョンや場内コンコースのデジタルサイネージと連携したコンテンツも可能。リボンビジョンの横幅は2面合計で約107m。

各入場ゲートから観客席までの動線にはジャイアンツの世界に没入できるデジタルサイネージを導入。場内コンコース等に約260台のデジタルサイネージを導入するほか、内野22ゲートと外野25ゲートのエントランスに大型LEDディスプレーが設置される。メインゲートである22ゲートでは大型LEDディスプレー3面(横6.5m×縦3mが1面と、横5m×縦3mが2面)に加え、16本の天井LEDディスプレーが設置。

観客席ではThe 3rd PLATINUM BOXとSKY TERRACEを新設。The 3rd PLATINUM BOXは白を基調としたL字ソファで、1階席3塁側スタンドに配置された4人席。テーブル、試合中継用モニター、スマホ充電電源も備え付けられている。黒を基調としたダイヤモンドボックスに引けを取らない存在として好対照に作られた。また、ダイヤモンドボックスも160席から290席に増設された。SKY TERRACEは2階席前方ブロックに位置するクッション性のある座面が付いたベンチソファタイプのグループ席となっている。

プレミアムラウンジは2008年の誕生以来、初の大幅リニューアルを実施。エントランス正面にインフォメーションカウンターや100インチの大型サイネージを配置したほか、利用客のみ利用可能な専用バーも新設。全28室のスイート俱楽部は「THE SUITE TOKYO(ザ スイート トウキョウ)」となり、よりハイエンドな観戦体験が可能となった。

そのほか場内外飲食店舗の一部リニューアルやグループシート3席種でのオードブルボックスの提供開始、スタッフユニフォームの刷新なども行った。

 

 

東京ゲームショウ2022、9月に幕張メッセでリアル復活へ

コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は日経BPと電通共催のもと、9月15日から18日までの4日間、千葉・幕張メッセで「東京ゲームショウ(TGS)2022」を開催すると発表した。オンライン開催とあわせたハイブリッド形式となる。

TGSは2020年に新型コロナウイルスの影響により、史上初の完全オンライン開催へと踏み切った。2021年はプレス・インフルエンサー向けに幕張メッセの一部を会場として使用したが、大部分のコンテンツはオンラインで展開された。今回は幕張メッセに一般来場者も入場可能となるため、3年ぶりのリアル復活と言える。

9月15日と16日をビジネスデイ、17日と18日を一般公開日とするが、16日は14時から一般来場者も入場できるようにする予定。会場は幕張メッセ1~8ホールと国際会議場を使用する。想定小間数は1500小間、想定来場者数は15万人。感染対策として会場内の人数をキャパの50%以下とし、1~3、4~6、7~8ホールごとに来場者を管理。センサーを導入し、制限を越えそうな場合は入場制限を実施する。また、若年層のワクチン接種状況が不透明であることから小学生以下の入場は不可とする。

ブース装飾および運営規定として、ブース内の基本原則は1人1㎡以上とする。例えばブースの面積が16㎡の場合、来場者・スタッフ合わせて16人までとなる。

展示ホールは一般、スマホゲーム、ビジネスソリューション、ゲームスクール、インディーゲーム、ニュースターズ、物販、VR/AR、eスポーツの8エリアで構成。イベントエリアの代わりに公式番組配信のためのスタジオも設置する。国際会議場はビジネスミーティングエリアとなる。

東京ゲームショウ事務局長の田辺太陽氏(日経BP)は過去2年間、SNS上でリアル開催を望む声が数多く寄せられた一方、オンラインの利便性が高く評価されたことから「今年も引き続きオンラインコンテンツを充実させていく」と発言。オンライン商談や公式出展者番組、STEAM特設会場などでオンライン開催を盛り上げる。

また、昨年好評だったVRワールドも継続。さらに新しいVRによるTGS体験を創出するため、「VR会場出展、協賛プラン」も設ける予定。なお、VR企画は電通東京ゲームショウ事務局が担当となる。

TGS2022のテーマは「ゲームは、絶対、とまらない。」となっており、2月28日より出展申込受付を開始。出展申込締切は5月27日。

【レポート】神奈川県内のユニークべニューを巡る

神奈川県は1月28日、県内のユニークベニューを巡る体験会「大山FAMツアー」をパシフィコ横浜による企画・運営のもと開催した。MICEのプレ・ポストツアー等で活用できる、県内コンテンツの広域連携を見据えて考案されたもので、今回は江戸時代以前からの名所でありながら、現在はテクニカルビジット先としても楽しめる“ユニークべニュー江戸”をテーマに3か所を訪問。その模様をレポートする。

鶴巻温泉 元湯 陣屋

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも登場する武将・和田義盛公の陣地で、大正時代は三井財閥の接待施設として活用されていた「鶴巻温泉 元湯 陣屋」。18の部屋が約1万坪の広大な敷地に点在する。来年創業105年を迎え、これまで数々の将棋のタイトル戦が行われてきた老舗旅館でありながら、近年は到着した車のナンバープレートから、来客者を割り出して出迎えの準備を行ったり、宿泊した顧客一人一人の嗜好を記録し、次回のおもてなしに活用したりと、DXに積極的な経営姿勢が話題となっている。MICEでは地元有名企業の幹部会、役員会議などの開催実績を持つ。
今回は大宴会場「竹河の間」でおにぎり体験を実施。「海外の方がこの場限りでなく、帰ってからチャレンジできる和食体験を考えました」と宮崎知子代表取締役女将は話す。参加者は豊富に用意された具材から好みのおにぎりを作り、竹皮に包んで昼食用に持ち帰った。

竹河の間(129㎡)は会議等で活用できるスクリーン・プロジェクターが常設されている

大山阿夫利神社

現在もふもとに宿坊が残っている大山。ツアーでは解説を聞きながらケーブルカーの駅まで向かった

日本遺産に認定された“大山詣り”の舞台となる大山阿夫利神社は2200年以上の歴史を持つ。はじめに参加者は大山寺を参詣し、厄除け・開運の願いをかけて素焼きの器を目印の輪に投げ入れる「かわらけ投げ」を体験した。
大山阿夫利神社下社ではカフェ「茶寮石尊」を昼食会場として使用。茶寮石尊協力のもと特別メニューが提供され、参加者は陣屋で作ったおにぎりとともに水まんじゅうや大山名物のとうふを使った料理を堪能した。その後、大山阿夫利神社を参詣。大山には源頼朝が平家打倒のために太刀を奉納したことから、木刀を奉納する“納太刀”という風習がある。今回は伊勢原市観光協会が用意した木刀を奉納した。
大山寺、大山阿夫利神社下社まではケーブルカーが走っており、ケーブルカーは夜間限定で貸し切り運行することもできる。

大山阿夫利神社に展示されている巨大な納太刀

黄金井酒造

黄金井酒造

創業200余年の歴史を持つ酒蔵「黄金井酒造」では、はじめに黄金井陽介専務取締役が酒蔵に掲げられる杉玉について解説。その後参加者は蔵内を見学して「ワイングラスで美味しい日本酒アワード2021」で金賞を受賞した「清酒盛升」の製造工程を学べる映像を鑑賞した。黄金井酒造ではオリジナルラベルの作製ができる。今回のツアーオリジナルラベルも用意されており、特別に清酒の入った瓶にオリジナルラベルを貼る体験を実施。参加者は傾いたり、皺がよったりしないように慎重にラベルを貼り、記念品として清酒を持ち帰った。

大山名物のとうふを使った特別メニュー

ツアー企画を担当したパシフィコ横浜営業推進部の大村正英営業開発担当部長は「伊勢原市・厚木市・秦野市に接している大山を中心にツアーを展開することで、企画の目的であるMICE開催時の広域連携につなげたい」と話す。酒蔵訪問を例に挙げ、県内には歴史ある酒蔵が10か所以上残っていること、黄金井代表が神奈川県酒造組合の会長を務めていることから、大村氏は「今回の企画によって新たなつながりができた。今後、MICE開催時に訪問予定の酒蔵が見学できなくなった場合や大人数のため訪問先を分散させたい場合、別の酒蔵との協働体制がとれるようになる」と期待をのぞかせる。誘致推進課の関谷淳セールスディレクターも「行列ができるほど人気の茶寮石尊に対して『一部を貸切らせてほしい、おにぎりを持ち込む許可が欲しい、豆腐料理を出してほしい』という無理をお願いたが、交渉は我々だけではできなかったと思う。神奈川県や伊勢原市、伊勢原市観光協会の皆様との協力・連携することで茶寮石尊の理解を得ることができ、実現できた」と振り返った。
そのほか今回のツアーは渋滞の影響を受けやすいバス移動を想定したもの。そこで新たに開通した新東名高速道路(伊勢原大山IC)を活用したルートを選定するなど、会場の利用時間や食事の提供時間など、個人旅行と異なり、時間厳守で進行する必要があるMICEツアーを強く意識した工程が取られた。

「第869号 見本市展示会通信」発行しました

 

 

展示会やMICEなどに関する最新ニュースを伝えるタブロイド判の業界紙
「第869号 見本市展示会通信」を発行しました。

【主な記事】
特集 大阪・関西万博開催支援EXPO

・一面のニュース:CEATEC 2022 3年ぶりにリアル開催復活、〈Report〉ニューノーマル時代の店舗提案3日間で約4万3000人が来場 第56回スーパーマーケット・トレードショー2022 ほか
・業種別開催データ(2022年4月~9月)<消費財関連>
・〈寄稿〉展示会よもやま話③ 田中五十一氏
・〈MICE+〉ユニークベニューショーケース 東京都、東京観光財団
・一般ニュース・事務所

発行について:第869号 2022年(令和4年)3月1日

☞「見本市展示会通信」の詳細はこちら

座談会 「総務」の仕事から学ぶ、企業の方向性/日本映像機材レンタル協会(JVRA)×ピーオーピー 合同企画

日本映像機材レンタル協会(JVRA)は、イベントの映像・音響機材のレンタル業を手掛ける企業や機材メーカーなどで構成される。昨今の世の中の変化に合わせて、各企業の考え方や方針、コロナ禍での対応策も日々アップデートしている。JVRA はこうした考え方や情報の共有、会員同士の交流を深めるため、さまざまな活動を定期的に行っている。今回は社内の動向や事情に詳しい「総務」部門のメンバーが各企業から集まり、座談会を実施した。企業の全体を見渡し、かつリアルタイムな社内の動きを知る彼らの視点から、イベント業界の進むべき道を探る。


◆出演者
・映像センター 管理本部 総務部 次長
長澤 憲邦 氏

・光和 総務部 総務課 課長代理
石倉 伸也 氏

・シネ・フォーカス 総務部 部長
小山 良介 氏

・ヒビノメディアテクニカル 管理部 総務課 課長
古茂田 敬 氏

左から長澤氏、石倉氏、小山氏、古茂田氏

◆ペンの注文から制度の改定まで
─総務と一口に言ってもかなり幅広いお仕事ですよね。普段の主なお仕事について教えてください

小山 映像業界は少し特殊な業界ですが、経理と総務の仕事はあまりほかの業界と変わりません。日々の会計処理や給与計算、社内規定の立案などを行っています。

古茂田 総務の仕事全般を担当するとともに、IT 関係が主な担当ですが、一概に「これをやってます」という説明が難しいくらい、多岐にわたって業務をこなしています。事業戦略、経営企画、ウェブマーケティング、採用に加えて、最近は社内のコロナ対策についても担当しています。

長澤 総務全体の管理や給与に関する業務が主です。ほかにも各種保険の手続きから転勤者のための書類作成、さらに細かな仕事では社内の席替えや文具の発注にも対応します。ちょうど今の時期は、就業規則に関する業務も抱えています。制度の確立や運用、改定などを行います。

石倉 主な担当は給与処理や法務関係、顧客との契約書のチェックです。今の役職に就いてからは総務部の統括を行っていますが、元々は新卒採用と新入社員の研修を中心に行っていました。採用についてはメインの担当ではありませんが、今も引き続き携わっています。

◆“コミュニケーション”が肝
─仕事をするうえで心掛けていることはありますか

長澤 総務の仕事は計算や書類の作成など、必要不可欠ではあるものの、ルーティンワークも多いため、やりがいを感じにくい仕事かもしれません。ただ、いつも目標として掲げているのは、社員が当たり前のように安心して働ける環境を整えること。これさえできていれば、なにもないということが一番良いのかなと。

古茂田 私も社員がストレスなく仕事に専念できる場所をつくれるように常に考えています。総務は社員がお客さんのサービス業です。常に社員に対しホスピタリティといいますか、杓子定規にならないコミュニケーションを取るように心がけています。

小山 総務はコミュニケーションがとても大切になってくる仕事だと思っています。古茂田さんの言う通り、総務は社内を相手にするサービス業であるとともに、会社全体を見渡して業務を進めていかなければいけないシーンが多い。
例えば社員から社内規定の変更や備品の購入といった要望があったとして、要望をその場で聞き入れるのは簡単ですが、われわれは「要望を聞き入れたことで逆に起こる問題」を予測して可否を判断しています。例として社内から「会社携帯がほしい」という要望があったとします。すると、われわれは導入の効果に加え、今後不要になったときのことや、他部署からも同じ要望が出た場合に対応できるかも考えなくてはいけない。これらを社員にどのように説明し理解してもらうか、日々頭を悩ませています。さまざまなことを考慮した結果として、要望が却下された場合、要望を出した人からすると「要望が通らなかった」という事実しか残らない。これではお互いの視点にギャップが生じます。これを埋めるには、要望者の目的や考えを聞き、その上でこちらの意図も丁寧に説明することが大切ですが、限られた時間でそれができないこともあります。本当は時間を取ってきちんと説明できると良いのですけどね。

石倉 たったひとつの制度を決めるときにもコミュニケーションは欠かせません。例えば、とある部署で起きた問題を解決するための制度を作るとき、多くの場合はその部署だけではなく、組織全体で確立を図らなければなりません。しかし、問題が起きた部署は積極的に意見をくれますが、違う部門は他人事のようなスタンスのときがある。どの部署にも必要な制度であることをいかに理解し関わってもらうかを説明しないといけませんから、やはりコミュニケーションが肝ですね。

─コロナ禍によりテレワークやオンライン会議システムが普及しましたね。皆さんの周りでもコミュニケーションの在り方が大きく変化したと思います

古茂田 コロナ禍になってから、急速にZoom やTeams といったコミュニケーションツールが普及してきて、仕事上も新しいコミュニケーションの形が確立されました。私もメールや掲示板で社員たちとやり取りをする機会が格段に増えましたが、相手のリアクション、リアルな反応が感じ取りづらく、本当に伝えたいことが伝わっているかは、正直わかりません。私が送ったものを相手がきちんと確認してくれたとしても、わざわざ反応を返してくれることなんてあまりありませんから。

小山 テレワークにより社員と直接対面で会える機会がかなり減りました。やはりテキストや音声だけのコミュニケーションは難しく感じます。会議システムに映像が出ていたとしても、お互いの感情や話す調子といった細かい情報は伝わりにくい。ですから、メールで連絡をしつつ電話も使い、お互い出社のタイミングが合えば直接会うといった具合で、念には念を入れています。

長澤 私たちは社歴も長くなってきていますし、コロナ前から社員と交流をしていますから、ある程度は周りの状況や社員の考えていることを把握できます。しかし、最近入社してきた社員たちは先輩がいない中で過ごし、信頼できる人間関係もなかなか作り上げられず戸惑っているのではないでしょうか。私たち総務のお客さんは社員ですから、サポートをしていくべきだと思います。チャンスがあるときは声をかけたり状況を聞いたり、なるべくこちらから聞き出すようにしています。

─チームや部署内のコミュニケーションで意識していることはありますか

石倉 仕事の話だけでなく、ニュースや芸能の話といった世間話もするようにしています。部下はうるさいなと迷惑がっているかもしれませんが。
それから、当社だけかもしれませんが、男性社員はなかなか愚痴や悩みなどを話してくれない傾向があります。女性社員からの方が、ざっくばらんに色んな要望が飛んできますから、素直に悩んでいることもわかりやすい。でも、特に若い男性社員であればあるほど、こちらから聞いてみても「いや、大丈夫です」という回答ばっかりで、本心がなかなか見えてこないんですよね。今後は彼らにとっても悩みがあれば話しやすい環境を作ることが目標です。

長澤 私も仕事のことだけではなく、それ以外の他愛のない話をしながら、若い社員たちの考えを聞き出すようにしています。そこを取り掛かりに仕事の話をしたり、アドバイスを伝えたりすることもできるので、こまめにきっかけを作ります。先日、オンライン飲み会も企画しました。本来は年に数回行っていた懇親会が今はできないので、代わりとして行ったものです。参加する社員の家に食べ物が届くように手配して、みんなで同じ食べ物を食べながら話ができるようにしました。社員とのコミュニケーションについては、これからも引き続き工夫していきたいですね。

◆業務のデジタル化
─あらゆる業界でデジタル化やDX が叫ばれていいますが、皆さん総務のデジタル化も進んでいるのでしょうか?

小山 従来は当社もアナログで、勤怠や経費精算をすべて紙でやっていました。現在はすべてデジタル化し、スマホやPC でさまざまな申請が可能です。アナログで管理していたころは集まらなかった勤怠管理や経費に関するデータが集まるようになり、さらにデータを分析することで新たに見えてくる課題があります。昨年、新たにに経理ソフトを導入したことで、部署ごとに使っている費用の詳細がまとめて見られるようになりました。将来的には累計データから別の分析が可能になると思いますので、結果をどのように事業計画へ生かすかが、次の課題ですね。

古茂田 給与明細や経費精算をペーパーレス化し、現在はデジタルで行っています。それ以外の申請書類や電子署名などの電子化も進めていく予定です。引き続き在宅勤務やテレワークが増えているため、リモートでほとんどの仕事をこなせるような体制の構築も視野に入れています。併せて、データを利用したWEBマーケティングについても強化しているので、ホームページを活用した収益アップにも力を入れています。

◆社員が安心して働ける環境のために
─今後の目標や挑戦してみたいことはありますか

小山 今後も業務のデジタル化により、業務負担の削減や作業効率化は進んでいきます。次の課題はデジタル化により得られたデータを如何に業務で活用できるようにするかだと考えています。また同じ映像業界で働く立場でも、現場の方々と違い、総務は横のつながりが少なくなりがちな部署です。私はJVRA に事務局として3年間携わったことで、たくさんの人と知り合うことができました。今後も出会いが拡げられるようなアクションを続けていければと思います。

古茂田 経費削減など総務の面から組織に貢献するのはもちろんのことですが、IT 関連の部署で働いていた経験を活かし、デジタルツールの活用やペーパーレス化を実現し、情報を使って新しい価値を創出することで、事業拡大・業績拡大に貢献していきたいです。なにより、現場で働く社員の力になれるよう、取り組んでいきたいですね。

長澤 全社員が安心して働ける会社作りを常に念頭に置いていますから、まずは福利厚生の充実を進めていきたいです。昨年は当社が用意している福利厚生がわかりやすく一覧になっているハンドブックを作り、社員に公開しました。せっかく同じ企業の仲間として働いてもらうのであれば、長く健康で働いてほしい。今後は健康経営や企業年金の制度などを探究・検討していきたいです。

石倉 会社に溜まっているデータをまとめるためにも、デジタル化の推進を目指します。社員が働きやすく、多くの人が集まる組織にしていくためにも必要になってくるのではない
でしょうか。いち早くデータから残業の多い社員を見つけて声をかけたり、体調の異変や悩みがあれば汲み取ったりすることができるのも、広く会社全体を見渡している総務の人間だと思います。企業にとって一番重要なのは、やはり「人」ですから。

◆今後のJVRA・ホームページ委員会の活動について
―今回の座談会を主催するJVRA・ホームページ委員会は、今日の座談会のようなJVRAに携わるきっかけとなるような活動を継続的に行っていますね。今後JVRAをより良いものしていくためには、どんな活動が必要だと考えていますか?

小山 JVRAは他の同業団体と比べて横のつながりが深いところが一番の特徴だと思います。同じ業界の競争相手ではあるものの、今回の座談会のように集まって和気あいあいとお互いに仕事の話をできるのはほかにはない長所です。現在コロナ禍により、イベント業界は苦境に立たされている。こうした時代だからこそJVRAから新しいイベントの在り方を、世に向けて発信すること求められているのではないでしょうか。一社ではできないことでも、協会の持ち前のつながりを使えば、不可能ではないと思います。

石倉 私は今日初めてこの座談会、JVRAの集まりに参加しましたが、協会内の仲の良さは以前から感じていました。ライバルというより、心から協力してこの業界をなんとか盛り上げようとひとつになっている印象です。今後もっとこの良さを活かすなら、普段からJVRAの活動に積極的に参加している人たち以外にも、交流ができる場があればよりネットワークが広がっていくのではないでしょうか。例えば、私たち総務の立場の人間が集う、『JVRA総務部門』の活動のような。

古茂田 JVRA が一丸となって活動を継続することで、業界を世間に周知するだけでなく、映像業界の地位向上にもつながると思います。業界のステータスがあがることによって、もっと若い世代や優秀な人材が集まれば、業界全体の底上げにもつながります。そのためにも、映像業界のステータス向上を軸とした活動を企画していくことが必要だと考えます。

長澤 今回私も初めてJVRAにかかわるメンバーと話をさせていただきました。私と同様に、会員企業の中でも協会とかかわっている社員は、実は限られているのではないでしょうか。JVRAはせっかく良いネットワークを持っていますから、まだJVRAに携わっていない人たちにも、他の会員企業の社員とかかわることができるきっかけとなるイベントや活動がもっとあればいいと思います。私自身も今回参加して、いろいろな情報交換ができる仲間ができました。今後はこうした、気軽に話や情報交換ができる機会を協会内の若い世代にも提供できるといいかもしれませんね。

 

 

今週の展示会スケジュール(2/28~3/6)

2/28~3/6 開催の展示会

▽東京

3月1日(火)~4日(金)
東京ビッグサイト
日経メッセ 街づくり・店づくり総合展
建築・建材展2022
JAPAN SHOP 2022(店舗総合見本市)
リテールテックJAPAN 2022(流通情報システム総合展)
SECURITY SHOW
https://messe.nikkei.co.jp/

3月2日(水)~4日(金)
東京ビッグサイト
日経メッセ 街づくり・店づくり総合展
フランチャイズ・ショー2022(FCショー)
https://messe.nikkei.co.jp/fc/

3月3日(木)~4日(金)
大田区産業プラザ(PiO)
試作市場
微細・精密加工技術展(MMTS)
http://www.nikkan-event.jp/sb/

▽大阪

3月5日(土)~6日(日)
万博記念公園
CYCLE MODE RIDE OSAKA 2022
https://www.cyclemode.net/ride/

EventBiz(イベントビズ)vol.26 BoothDesignSelection(展示会ブースデザイン)

直接購入

アマゾンから購入

編集内容

商談成立やビジネスパートナー発掘など、あらゆるチャンスを生み、ビジネスイベントの代名詞ともいえる展示会。その展示会で出展の成功に欠かせない要素でありながら、出展担当者を悩ませるものとして挙げられるのが「ブースのデザイン」だ。
今特集では2020年から2021年に開催した展示会から、デザイン性や機能性、映像演出など、緻密な計算と個性的なセンスやアイデアで来場者を惹きつけたブース約40事例を紹介する。

特集 BOOTH DESIGN SELECTION

EventBiz DESIGNER INTERVIEW 上野 鐵也/ジェットデザイン
BOOTH DESIGN SELECTION
プチレポート ブースで見つけた! 出展者のひと工夫

論点
INFORMATION 2024 年、船橋市に大型多目的アリーナ誕生
展示会の総合分析 2021年10月~12月
展示会の総合分析 2021年の年間統計
開催スケジュール(展示会) 2022年3月~5月
論考 桜井 悌司
MICE TOPICS① MICE最新動向発表 愛知・名古屋MICE推進協議会
MICE TOPICS② インテックス大阪 安全大会
MICE TOPICS③ イベントでデータ活用の動き 丹青社/ピクシーダストテクノロジーズ
イベントレポート 第3回横浜グローバルMICEフォーラム
PickUP! EXHIBITION 第46回2022日本ホビーショー
JVRA座談会 「総務」の仕事から学ぶ、企業の方向性
Woman’s NEXT 塩谷 久美子/JTBコミュニケーションデザイン
自創空間+ 菅澤 英司/ bravesoft

判型:A4判
ページ数:88ページ
定価:2,200円(税込・
1冊)+送料 /  8,800円(税込・年間)
全国有力書店で販売。また、小社からの発送も行っておりますので、上部の購入ボタンよりお申し込み下さい。
お問合せは(株)ピーオーピー 出版企画室(TEL: 03-5687-6841、FAX: 03-5687-6845)