【JACE】2022年のイベント産業規模の推計を発表

一般社団法人日本イベント産業振興協会(以下JACE)は、6月19日にイベント産業規模の推計を発表した。詳細はJACEのホームページで確認できる。

<概要>
2022年のイベント関連産業の産業規模は6,758億円、前年比121.0%、イベント周辺産業までを含めると2兆804 億円、前年比 138.7%となり、新型コロナウイルス感染症流行前の 2019年と比較して、約8割まで回復した。

(単位:億円)  

2019 年  2020 年  2021 年  2022
イベント関連産業 小計  9,591  3,800  5,584  6,758
(39.6 (58.2 (70.5)
イベント周辺産業 小計  17,194  8,096  9,415  14,046
(47.1 (54.8 (81.7)
総計  26,785  11,896  14,999  20,804
(44.4 (56.0 (77.7)

( )は 2019 年比

<イベント関連産業>

⚫ BtoB、BtoC の販促イベントなど主に広告代理店が扱うイベントである「広告関連イベント」は、コロナの影響で 2021 年までオンライン開催あるいは中止を余儀なくされていた展示会・見本市の多くが、2022 年はリアル開催され(ハイブリッド開催含む)、2022 年はオリンピック特需のあった 2021 年からさらに 124.2%に伸長し、2019 年比では 76.9%とコロナ前の水準の 8 割程度まで復調した。

⚫ イベント専業企業が行うイベントである「イベント専業」は、展示会・見本市、スポーツイベント等の本格的再開により、2022 年は前年比 116.2%、2019年比 93.0%まで回復した。

⚫ サミットのような政府系の大規模国際会議から業界団体、学会まで多彩な広がりを見せる「コンベンション」は、コロナ禍初期の 2020 年は MICE が大きく減少したものの、その後はオンライン開催やハイブリッド開催等でそれなりの開催件数が維持されている。オンライン化で 1 件当たりの売上は減少傾向にあるものの、大手 MICE 会社は各種翻訳サービスが売上げを補完していることなどから、2022 年は前年比 159.3%に大幅に伸長、2019 年比でも 95.7%と、ほぼコロナ前の水準まで回復した。

⚫ イベントにおける展示用什器などの会場設営用品、映像機材や屋外イベントのステージ、テント、トレイラーボックスなどの貸出し、展示会における展示ブースの企画・演出、施工管理、運営などの「レンタル・ディスプレイ」は、2022 年はスポーツ大会、花火大会、伝統的祭事等を含め、多くのイベントが規模縮小ながらもリアル開催されたため、前年比 109.9%に伸長、2019年と比べても 85.0%まで回復した。

⚫ 大規模イベント会場施設のイベントへの会場貸出し費・管理運営費などの「施設」は、2022 年は東名阪の展示場の稼働率がほぼ 2019 年並みに戻りつつあることから、前年比 120.1%、2019 年比 80.5%まで回復した。

⚫ 「警備・印刷・設備・人材派遣・ソフトウェア」に関しては、警備需要が特に大きい展示会・見本市、コンサート、マラソン大会・花火大会等の本格的再開により、前年比 110.0%、2019 年比 77.0%と約 8 割まで回復した。

⚫ 「商店街イベント」については、全国 4,800 の商店街が行ってきた年間数度の販促キャンペーン、および自治体で予算措置がとられている観光振興イベント(例:B 級グルメ、アニメ聖地巡り)ともに、そのほとんどがコロナ禍で自粛に追い込まれた。2022 年は前年より増加したものの、2019 年比 12.0%にとどまった。

⚫ 観光振興、地元コミュニティの活性化などの目的で行われてきた「花火大会」は、花火技術の進化・複雑化などを背景に、全国 1,000 か所以上、直接支出が億単位のものも数十件存在していたが、コロナ禍の影響で 2020 年、2021年とほとんどの花火大会が中止に追い込まれた。2022 年もコロナ感染への懸念から、引き続き中止、あるいは打ち上げ数を減らして実施したところが多く、前年比 150.0%に伸長したものの、2019 年比 22.7%にとどまった。

⚫ 季節行事、寺社行事などの「伝統的祭事・フェス」は、観光資源や地方のアイデンティティ増大を目的に行われ、集客的には数十万人から百万人規模を持つものも多かったが、その多くはコロナ禍で中止を余儀なくされた。2022年は再開されたものが多かったものの、特に自治体が絡むイベントを中心に規模縮小が目立ち、2019 年比 31.4%にとどまった。

⚫ 中小規模の学会、会議、業界セミナー、展示会・見本市に付随するセミナー・シンポジウムなどの「会議・小セミナー」は、オンライン開催またはハイブリッド開催が主流となって定着しており、2022 年は 2019 年比 83.9%まで回復した。

<イベント周辺産業>

⚫ 「音楽コンサート」は、前年比 2 倍超に伸長し、ほぼコロナ禍前の水準まで復調した。一方、「劇映画」「楽団・舞踊団」はいずれも前年比 2桁の伸長を見せたものの、コロナ禍前と比較すると 6 割から 7 割程度の回復にとどまっている。

⚫ 「スポーツ興行」は、前年比 148.0%と伸長し、コロナ禍前と比較しても107.5%と完全に復調した。「スポーツ施設提供業」は、前年比2桁伸長し、コロナ禍前の 7割強まで復調した。

調査主体 : 一般社団法人日本イベント産業振興協会(JACE)
調査機関 : 株式会社電通 電通メディアイノベーションラボ 株式会社メディア開発綜研
調査対象・手法 : 以下の調査に基づき、推計作業を実施
① 主要なイベント関連企業へのヒアリング調査
② 下記データを組み合わせて分析のうえ推計
 各種公的統計資料(経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」他)
 イベント関連業界発表統計資料
 電通『日本の広告費』
 企業有価証券報告書及び IR
 商用 DB(東京商工リサーチ、帝国データバンク)
 その他発表資料及び参考資料
③ 有価証券・公表資料で売上分離できるものは分離(例:売上50億円=貸しビル 40 億円+イベント会場 10億円の場合、イベント会場10億円を取る)