テーマパークのショーセットから仏像のレプリカまで
ハイクオリティな立体造形を【ムラック】

空間デザインやディスプレイ製作・施工を長年手掛け、イベントや展示会を支えるムラック

東京都八王子市の「株式会社ムラック八王子支店」では、テーマパークのオブジェやショーセットから、イベントで展示するキャラクターやマスコット、仏像など重要文化財のレプリカまで、幅広く造形物を製作している。

近年は、西日本を代表するテーマパークの新エリアの外装工事など、オブジェ単体でなく、建設工事に関わる大型案件も手掛けるようになった。

現在も、開業を控える東日本を代表するテーマパークの新エリアを手掛けている。

【問い合わせ先】
株式会社ムラック 八王子支店
電話 042-650-1333

 

オブジェの作り方

 
同社での立体造形の製作は、まずCAD上での3Dモデルの製作から始まる。

▲ ハンドスキャナーで立体物から直接3Dデータを読み込むことも可能だ。さっとスキャンするだけでここまでデータを取得できる。

 

3Dデータの作成後は、加工機でオブジェのコアとなる原型を製作していく。

特注の「CNC5軸加工機」はプログラミング後、自動でEPS(発泡スチロール)を削っていく。左右、前後、上下、3つの回転軸にさらに2軸が加わることによって、複雑な形状への加工が可能だ。

原型ができたら、それを基に雌型と呼ばれる型を製作し、高強度な繊維強化プラスチック(GFRP・CFRP)での成型作業を行っていく。

最終的に細かい箇所を手作業で仕上げて着色、クリアコーティングするとオブジェの完成となる。

製作前に徹底的な検証を

 

※写真はイメージです。本文とは関係ありません

テーマパークの造形など建築が絡む案件の場合、実際に製作に入る前の検証段階にも、多くの時間を費やす。

まず重要になってくるのが下地の鉄骨など、構造上の検証と設計だ。

キャラクターやお城など、表面の造形物を作るには、最初にそれらの下地となる鉄骨を3D上で設計する。

キャラクターを支えるために「どの位置にどれくらいのピッチで、どれくらいの太さの構造体を入れればいいのか」「それらの鉄骨を作ることは可能なのか」「溶接で作るのは可能なのか」など、あらゆる角度から検証を行い、さらに専門の設計会社がCAD上で構造計算を行う。

そのフィードバックを受けて鉄骨の数を変更するなど、再検証を行う。実際に現地に搬入して組み立てができるか、現場のオペレーションまで徹底的に考えるという。

その後ようやく、来場者が目にするようなキャラクターやショーセットのフォルムを作っていく段階へと入る。

ムラック八王子支店の石橋氏は、何よりもまず“安全であること”が大前提であると語る。

「お客様が触ったり乗ったりしてもケガをしない、壊れないこと。また、強風や地震にも耐えられること。

日本のテーマパークの安全基準は非常に厳しく、安全性や強度の検証は重要なポイントのひとつになります。」

例えば、過去に大きな牙を持つキャラクターのオブジェを制作した際は、子供の手が届かないかどうかや、牙の部分に雨水が溜まっても来場者にかからないかどうかまで確認したという。

 

検証にMRを活用

 

※写真はイメージです。本文とは関係ありません

製作前の検証にはMRを活用することもある。

例えば、ショーセットのサイズ感などをクライアントに確認してもらうための「ミックスドリアリティ」だ。

ミックスドリアリティ
現実世界のなかに3Dやホログラムなど、バーチャルな世界をシンクロさせるテクノロジー。

 
頭にヘッドマウントディスプレイを装着すると、目の前に3Dで制作した実物大のキャラクターやショーセットが現れる。

バーチャル空間上で3Dモデルを見るのではなく、通常の視界に重なる形で3Dモデルが現れるので、現実の建物とオブジェの大きさを比較したり、オブジェを見る角度(下から見上げた場合など)や見る距離によってどう見え方が変わるのかを、現実の風景と一緒に検証することができる。

クライアントに完成時どのように見えるのか実物大で確認してもらい、 裏付けを取ってから製作に入ることが可能になるわけだ。

▲ 検証の様子。ヘッドマウントディスプレイの使用者には、現実世界の中に「大きな木のオブジェ」が現れたように見えている。

 

石橋氏はムラック八王子支店の強みの一つに、「3Dデータの取り扱いに長けている点」があると語る。

「最近は、クライアントから図面や資料を3Dデータで頂くことも多いのですが、その取り扱いには高いスキルや豊富な経験や知識が必要となる事が多くあります。

2Dデータと比べて3Dデータの拡張子は非常に種類が多く、ファイルを開くだけでも専門的な知識が求められることがあったりするのですが、その点、弊社はすごく強いです。

3Dデータの取り扱いにお困りのお客様も、ぜひご相談いただければと思います。」

オブジェの造形はもちろん、テーマパークのショーセットなど建築工事における構造的な部分まで、立体造形に関するお問い合わせは以下まで。

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株式会社ムラック 八王子支店
電話 042-650-1333