座談会 MICEで日本をリードする九州3都市の挑戦 福岡市、北九州市、熊本市

界水泳の誘致や新たなイベント施設のオープンなど話題も多く、盛り上がる九州MICE。そこで、九州を代表する3都市の施設担当者に集まっていただき、新元号を迎えたこれからの九州の進むべき姿について、その展望を語り合っていただいた。

■参加者
・福岡コンベンションセンター/営業推進部 営業推進課長
中野 好孝 氏

・北九州観光コンベンション協会/事業部 事業課長
古賀 敦之 氏

・熊本市 経済観光局/新ホールマネジメント課 誘致戦略室参事
大村 亮太 氏

・熊本国際観光コンベンション協会/事業推進課 コンベンション誘致担当課長
髙橋 英樹 氏

(コーディネーター 本紙  池上 龍朗)

 

1.施設の最新状況をみる
―最近の施設稼働状況は好調と聞いていますが、皆さんの最新動向や活動状況を教えてください

中野 福岡コンベンションセンターは福岡国際会議場、マリンメッセ福岡、福岡国際センターの3施設を運営しています。このうち国際会議場の2018年度の室数当たりの利用率は、主要な会議室であるメインホール・多目的ホール・国際会議室の利用率は79.8%、中小会議室18室の利用率が64.9%でした。利用件数も国際会議や学術会議の開催件数が49件と過去3年間で最多となっており、全体の催事件数は858件と前年度より40件増加しました。
また、マリンメッセ福岡の利用率は対前年度比6.5%増の90.4%で、展示会利用とコンサート・興行利用がそれぞれ約4割と大きな比重を占めます。福岡国際センターの利用率も対前年度比3.3%増の93.7%と極めて高くなっており、2019年にはコンベンションセンターとしては初のeスポーツ大会「EVO Japan 2019」を誘致するなど新規催事の誘致にも積極的に取り組んでいます。

最新の話題としては、「第19回FINA世界水泳選手権2021福岡大会・第19回FINA世界マスターズ水泳選手権2021福岡大会」の招致が決まるとともに、その会場の1つとなる「第2期展示場」の建設も急ピッチに進んでおります。ですが、マリンメッセ福岡、福岡国際センターを含めた3施設内に仮設プールを造ることになりますので少なくとも3か月以上、一般の方々や、リピーターのお客さまにご迷惑をおかけすることになるため、影響が考えられるお客様には、早めの日程調整や他施設の紹介などの提案を行い、できるだけご迷惑をお掛けしないよう努めております。

(左)中野氏、(右)古賀氏

古賀 西日本総合展示場(本館・新館)、北九州国際会議場を運営する北九州観光コンベンション協会は、平成29年4月に組織統合しましたが、その特徴はMICEの誘致部門、事業部門、観光事業部門があるため、MICEに関する一連の業務を組織内で完結できることです。

最近の取組みですが、見本市・展示会事業ではSDGsの紹介や市場とつながるビジネスマッチングなど8つの主催事業を展開。また会議・大会の誘致・支援事業では、北九州市がグローバルMICE都市に選定されて以来、ローカルホストやステークホルダーとの連携を強化し、国際会議件数は全国8位(2017年)と好成績をおさめています。
施設の稼働率についても西日本総合展示場新館・本館それぞれの利用状況は日稼働率86%を超え、北九州国際会議場では日稼働率96%まで上昇しています。

大村 今、建設を進めている熊本城ホールは、熊本市の中心地にある桜町地区再開発施設内にオープン予定でして、1階イベント・展示ホールが10月13日にオープンした後、順次、段階的に各フロアを開業し、全館グランドオープンは12月1日に迎えます。
熊本城ホールの特徴は3000人規模のコンベンションを単独開催できることと、ホールツアーコンサート会場として利用できるため、新たな交流を創出します。