コロナ禍における大阪ディスプレイ協同組合の取組みと展望

大阪府への要望書等提出

中止ではなく安全に開催する
そのための周知を求めていく

―ディスプレイ業界がコロナ禍を乗り越えるための課題について考えをお聞かせください

水上 在宅勤務が当然になったことで、社員間の格差が強調されてしまっています。白水社も在宅勤務を推奨していますが、現場の人間はなかなかそうもいかないため、人によっては不公平だと感じるかもしれません。在宅勤務の成果確認や評価といった仕組みを整えることが今後の課題です。また、業務の偏りが出ないよう必要な部署・地区へ社員の移動配置も視野に入れ取り組む考えです。

 社員のメンタルには最新の注意を払うようにしています。特に若手はコロナ禍でのメンタルダメージが見えやすいので、不安を少しでも払拭できるようビデオメッセージなどでケアを行っています。社内体制の見直しも急務で、展示会やイベント関係の施工を常設部隊に組み替えることを検討しています。今後はシーマの基盤であるメンテナンスや補修といった面をさらに強化していく予定です。

衣川 私もメンタルケアは大事だと考えていて、新型コロナ以降は意図的に別部署の社員同士を組ませるようにしています。デザイナーを同行させる営業活動や、営業職の社員に経理研修を受けさせるなど、普段外側から見ていた部署を経験することがメンタルに良い作用をもたらすことを期待しています。

永田 人間、仕事をせず巣篭っているとマイナス思考に陥りがちですね。私はリターン・トゥ・オフィスという考えをあえて打ち出すようにしています。その中で時差出勤を駆使するなど、個人のライフスタイルにも配慮しています。

―国や自治体にどのような支援を期待しますか

 コロナ禍に加え、東京五輪の延期によって東京ビッグサイトや幕張メッセといった会場が使えない状況となっており、主催者もわれわれも不安を隠せません。国にはそのことを理解していただき、東京や大阪、九州など、全国各地が歩調を合わせて行動を起こせたらと思います。

永田 今後もODAとしては「展示会やイベントは安全に開催できる」ことを強く訴えかけていきます。国や自治体には、過度に危険視して中止にするのではなく、こうすれば開催できるという事実を広く打ち出していただきたいと思います。
また、事業継続という観点において雇用調整助成金は外せません。現時点では12月末までとなっていますが、ディスプレイ業界としてさらなる期間の延長を求めるとともに、フリーランスへの支援も訴えていきます。
大阪ではインテックス大阪が年度内の使用料を半額にするなど、主催者の負担を軽減するような動きも出ています。展示会やイベントの復活に向けて、ODAとしても最善を尽くします。