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【スポーツ庁】スタジアムやアリーナを地域活性化に生かすための考え方「スポーツコンプレックスガイドブック」を公表

スポーツ庁は、スタジアムやアリーナを地域活性化に生かすための考え方をまとめた「スポーツコンプレックスガイドブック」を公表した。施設単体の整備や運営にとどまらず、周辺の商業、交通、観光、医療などと連携し、地域全体でスポーツ施設の価値を高めることを目指す。

単なるスポーツ施設の集合体ではない

ガイドブックでは「スポーツコンプレックス」を、その地域ならではのまちづくりにおいて、核となるスポーツ施設の潜在的な価値を最大化するため、周辺のインフラや施設と面的に連携して形成されるエリアと定義した。

単に複数の競技施設を集めるのではなく、スタジアムやアリーナを中心に、商業・宿泊施設、オフィス、公園、交通インフラ、医療・健康、教育・子育て、防災などの機能を結び付ける考え方だ。

スポーツ興行による集客や収益だけでなく、周辺地域への回遊促進、地域産業への経済波及、住民の健康増進、コミュニティー形成、地域への愛着や誇りの醸成なども期待されている。

大規模投資のリスク低減も重視

一方、スタジアムやアリーナの整備には多額の費用が必要となる。建設費の高騰や需要予測とのずれによって、施設が自治体などの大きな財政負担となる可能性もある。

このため、ガイドブックは地域の人口や商圏、チームの集客力、周辺の類似施設、予算などを踏まえ、適切な施設・投資規模を設定するよう求めている。

さらに、公共交通によるアクセスの確保、プロスポーツクラブの運営体制への参画、来場者を周辺地域へ誘導する動線づくり、定期的な効果検証と運営改善などを重要な要件として挙げた。

行政計画や都市計画などに、スポーツ施設を活用した地域の将来像を明確に位置付けることも重視している。

地域特性に応じて4種類に分類

ガイドブックは、核となる施設の規模や興行利用の自由度によって、スポーツコンプレックスを大きく4種類に分類した。

多くのスポーツ・非スポーツ興行を開催できる「高集客型」の例には、横浜市の関内駅周辺エリア、長崎スタジアムシティ、北海道ボールパークFビレッジを挙げている。

地域の人口や集客力に見合った中型アリーナを中心とする「地方アリーナ型」では、沖縄サントリーアリーナ周辺エリアや長野市南部エリアを紹介した。

天然芝スタジアムを核に官民連携や周辺施設との相乗効果を目指す「天然芝スタジアム型」には、広島市中央公園周辺エリアや京都府の亀岡駅周辺エリアを例示。住民の日常利用や社会的価値を重視する「地域密着型」には、アシックス里山スタジアムや福島県郡山市の開成山エリアを挙げた。

スポーツ部局だけでなく地域全体で検討を

スポーツコンプレックスの実現には、自治体のスポーツ担当部局だけでなく、都市計画、産業、観光、交通、福祉などの担当部局、スポーツチーム、民間事業者、地域住民らが早い段階から協議に参加することが重要になる。

市民や関係者が参加するワークショップを通じて地域の目的や将来像を共有し、施設完成後も継続的にエリアを運営する体制が求められる。

スポーツ庁は、従来からスタジアムやアリーナの整備に携わってきた関係者だけでなく、今後まちづくりや地域活性化に取り組む自治体、企業などにもガイドブックを活用してもらい、各地での構想・計画づくりや官民連携につなげたい考えだ。