日本コングレス・コンベンション・ビューロー産業部会は7月25日、東京交通会館内のJNTO会議室で「第1回MICE技能研修会(産業部会MICEセミナー)」を開催。約50人が出席した。観光庁観光戦略課長の高橋一郎氏が登壇し、6月17日に閣僚会議で決定された「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2014」について語った。
今回のアクションプランは、政府、安倍首相の観光立国推進への意欲の高さから、閣僚会議で13人の大臣と議論を重ねた上で決定されたもの。昨年6月に策定されプログラムの4本柱に「『2020年オリンピック・パラリンピック』を見据えた観光振興」、「世界に通用する魅力ある観光地域づくり」を加えた6つの柱から成る。
MICEへの取組みは「国際会議等(MICE)の誘致や投資の促進」から「MICEの誘致・開催促進と外国人ビジネス客の取り込み」という記載に変わったが、引き続き施策の柱の1つに掲げられ、(1) MICEに関する取組の抜本的な強化、(2)外国人ビジネス客の取り込み強化、(3)IRについての検討の3項目について以下のような施策が取り決められている。
(1)MICEに関する取組の抜本的な強化
取組対象の抜本的拡大として、国際会議以外の企業が主体となる、企業ミーティング、インセンティブ旅行、展示会・イベントへ取組みを拡大。MICEブランドの海外への発信、ミーティング、インセンティブの誘致戦略策定と誘致促進、展示会・イベントへの外国人参加者増加促進などが新たに盛り込まれた。
また、グローバル戦略・強化都市の支援、アンバサダープログラム、各府省庁会議などの各省の連携・協力などについては、改善強化することとなっている。
MICE受入環境整備については、国立京都国際会館の展示施設の整備、ユニークべニューの掘り起し、回外への発信、事例集のとりまとめ、公開・活用を進めるための歴史的建造物への財政支援などを新たに付け加えた。
(2)外国人ビジネス客の取り込み強化
訪日アクセスの向上、国際会議参加者やVIPなどを対象とした入国審査のファーストレーンの設置や自動化ゲートの対象とすること。無料公衆無線LAN(フリーWi-Fi)など。
(3)IRについての検討
IR推進法案や国民的な議論を踏まえ検討を進める。
講演終了後には、参加者から、MICE推進の具体的施策、多様な業種が参画するための取組み、MICEという言葉・分野の意義と将来性などの質問が寄せられ、高橋氏とMICE推進担当参事官付観光渉外官の乾有貴氏が、観光庁の取組みや自身の考え、庁内でのMICE気運の盛り上がりなどを現在の状況やこれからの方向性を説明した。
講演会終了後には、意見交換会も行なわれ、観光庁MICE推進担当の内田浩行参事官による乾杯の挨拶の後、参加した多くの関係者が交流を深めていた。
左)開会の挨拶をする産業部会長の近浪弘武氏
中)乾杯の挨拶は観光庁MICE担当参事官内田浩行氏、
右)中締めは副部会長の荒川正樹氏