映像の現場と将来像

展示会・イベントで欠かせない映像技術・演出は日々進化を続けているが、近年では投影する対象に映像を張り合わせる「プロジェクションマッピング」(PM)の発展により、映像の演出は単なる情報発信の域を超えた。

今回はこれからの映像業界を担うであろう若手4名に、業界で働く意義や今後の展望について話を伺った。

(掲載=『見本市展示会通信2015 11月15日号』より一部抜粋)

 

①思い出に残っている仕事・やりがいとは

 

髙山裕太氏

レイ(システム事業部/AVシステム販売チーム)

入社直後、施行会社に営業を行ない苦労の末に取れた案件がありましたが、増築を重ねた物件だったため想定していた通りに工事が行なえませんでした。

上司に相談し、施工業者にも頭を下げ、補修工事を行なうことで事なきを得たのですが、はじめての現場でのミスは今でも忘れられません。

ですが、そのミスを糧にしてきたからこそ、今の自分があるのだとも思います。

 

 

植田智人氏

シネ・フォーカス(営業部)

入社直後に担当した社内表彰式で、プロジェクターが映らなくなるというトラブルが生じました。たまたま同じ型番がなく、折り合いを見てケーブルを交換すると復旧させることができました。

機材トラブルは致命的なミスになりかねないので、以降はバックアップを強化し、徹底的に対策をしています。

仕事のやりがいは、イベントや表彰式など晴れの舞台に関われた喜びを感じられることです。

 

 

杉村素実氏

クレスト(アシスタント)

最近は展示会に出展するようになって、多くの来場者さんと接する機会が増えました。特にPMアプリ「CPMap」は、毎回多くの方からご好評の声をいただいていて、エンジニアをサポートしてきた立場として、とても誇らしい気持ちです。

今後も、技術職であるエンジニアとユーザとの架け橋になり、映像業界に光を当てられたなら嬉しいです。

 

 

 

石橋宗親氏

ビィズ・クロコ(クリエイティブディレクター)

幕張メッセで開催された日本最大級のファッション展示会の中心に設置された大型映像演出の仕事が思い出に残っています。

半年以上、プロフェッショナルな方々と共に毎週のようにミーティングを重ねた結果、多くの方々のご協力もあって、会期2日間共に大盛況で終えることができました。

私は、イベントは総合芸術だと考えています。企画、演出、映像、音響、照明、進行、運営などのスペシャリストが、目的のために一つの空間を創りあげようとすることで、1人では決してなし得ない美しい空間ができあがります。仲間同士の信頼やチームを動かすことの重要性に改めて気づかされ、見えないものをカタチにしていくイベントの魅力に触れています。

 

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