独自分野の強み活かし地方・海外への展開目指す

独自分野の強み活かし地方・海外への展開目指す

トレードショーオーガナイザーズ(株)佐々木 剛さん

焦点絞り業績伸ばす

トレードショーオーガナイザーズ(株)は、2003年の創業以来、「スタイルハウジングEXPO」や「ラーメン産業展」など独自の分野で展示会を主催・運営し、成長をつづけている。今年10月、創業社長の田中洋行氏が会長へ、新社長に佐々木剛氏が就任した。そこで本紙は佐々木氏に社長就任の抱負と今後の事業展開についてうかがった。

――御社の新しい体制はどのようになるのでしょうか

佐々木 田中前社長は取締役会長として業績など数字面をみたり、自身の経験から経営にアドバイスをするという立場となり、わたしが代表権をもち経営判断をしていくという体制になります。

――佐々木社長のこれまでの経歴をお聞かせください

佐々木 5年ほど他社で展示会事業に従事したあと、当社には2003年の立上げの時期から参加しており、主に展示会の立上げに関する出展営業と企画・運営を統括してきました。  わたしが展示会業界に入ったのは、あの「インターネプコン」が落ち込みを見せるなど、展示会業界にとって大変な時期でした。しかし、不景気な時代に業界に入ったことは私にとってラッキーだったと思っています。落ち込み始めた時期からのスタートでしたのでいろいろと苦労の連続でしたが、創意工夫を重ねオーガナイザーとして厳しい時代を乗り越えたことが、いまの私の素地になっていると思います。

――トレードショー…という社名から御社は”BtoB”に特化した企業という印象があるのですが

佐々木 たしかに私自身にも「展示会の本質はトレードだ」という考え方があります。  当社では「スタイルハウジングEXPO」というコンシューマーを来場対象にしている展示会もありますが、純然たる”BtoC”ということではなく、コンシューマーである施主と施工業者が一緒に会場を視察して指名注文してもらう形式を取っており、私どもは”BtoBtoC”の展示会と捉えています。

――将来の展望をお聞かせください

佐々木 現在当社では11本の展示会を主催運営しております。3年後に17本、5年後に20本の開催、売上では20億円を目標にしています。  そのために海外展開を視野にいれた構想を練っています。  当社の主力分野である麺類は和洋中のみならず、世界中で大変バラエティに富んだ文化を形成しており、海外展の日本パビリオンとして参加しやすいと考えています。特に日本は製麺技術の先進国で、当社の人脈やノウハウ、経験が海外展でも必要とされると思っています。  また海外だけではなく地方進出も構想にあります。麺類展の対象となる店舗経営者は全国各地にも多数いて、地方でも十分展示会が成立します。展示会の地方展開のモデルケースになり得るのではないでしょうか。  企業を経営する上で利潤を追求するのは当然ですが、地方会開催で地場の活性化など社会貢献につながればと考えています。

――今後の発展のためにどのようなことを心がけておられますか

佐々木 展示会業界は労働集約型の産業ですから、なによりも人材育成が大切です。人の教育は花が咲くまで時間はかかりますが、じっくりと取り組んでいきたいと思います。  スタッフには「厳しい状況を生き残るために”強み”をつくれ」と言っています。当社は外食産業の中でも多店舗チェーンに参入する企業に焦点を絞るという姿勢を貫いて、不況の中でも前年比110%と順調に業績を伸ばしてきました。社員一人ひとりも同じことで、例えば飲食店向けに自分の能力を深掘りするなど、その分野で?bPを目指すことが大切だと思います。そうした強い想いをこめて仕事をしていくことが、相手を動かす力になるのではないかと思います。

――本日はお忙しい中、ありがとうございました。

「見本市展示会通信」2009年12月1日号掲載