ホーム ブログ ページ 344

【出展者に聞く!】ソフト・ハードの両面から教育現場をサポート
チエル

チエルは5月18日から20日まで東京ビッグサイトで行なわれた「第7回 教育ITソリューションEXPO(EDIX)」に出展した。第2回展から毎年規模を拡大し続け、今回も最大規模の出展という。

ブースでは、“先生の教える仕事を支える”と“学生の学びを支える”をコンセプトに、小学校から大学までの教育現場をICTで支援するさまざまなソリューションを展示した。
マーケティング部リーダーの安田美穂氏は、出展効果に対して「EDIXには当社のメインターゲットである教育委員会の方や現場の先生が多く来場されます。キーマンに直接訴えることができるので商談も成立しやすく、売上の半分は展示会がきっかけとなっています」と話す。【記事S】【チエル】DSC00119
教育現場における情報化の急速な発展に合わせ、同社展示ブースでは「らくらく先生スイート」を展開。これは、タブレットに対応した教務支援システムで授業計画や授業評価を簡単に行なえるというもの。

また、同社がタッチパネル研究所と開発した電子黒板「グッドサムGS-86WG」を用いて模擬授業体験コーナーを設置し、来場者に使い方を実演した。「グッドサムGS-86WG」は黒板上を大きなタッチパネル画面として利用することができ、直感的な操作でスマートに授業が行なえるという。
安田氏は「全国各地から学校・教育関係者、エンドユーザーの来場が見込めるEDIXは今後も活用していきます。来年の出展もすでに申し込みました」と、次回展にも強い期待を示した。

<展示会データ>
展示会:第7回 教育ITソリューションEXPO(EDIX)
会期:2016年5月18日~20日
会場:東京ビッグサイト

「見本市展示会通信」第732号 2016年6月15日発刊 より抜粋

首都圏で合同説明会 ~山形ビッグウイング、ビッグパレットふくしま、夢メッセみやぎ~

「南東北3県 展示会場首都圏合同説明会」が6月28日、都道府県会館402号室で行なわれる。
0001合同説明会では、南東北の代表的な施設である山形ビッグウイング(山形県)、ビッグパレットふくしま(福島県)、夢メッセみやぎ(宮城県)の3県展示会場が、各地の特色や展示会場の特徴、開催サポート制度などを紹介し、南東北での開催メリットや最新情報を発信する。
対象は展示会・コンベンション主催者、関連事業者、広告代理店など。
スケジュールは、14時から合同説明会を実施し、14時45分から個別商談会が行なわれる。
参加申込みは、下記まで。
⇒電話番号は、夢メッセみやぎ内の合同説明会事務局TEL.022-254-7111

⇒FAX or E-mail は、こちら

【JEPC若手座談会】 創立記念行事合同企画 ~イベントの現場から未来を覗いて~

2020年の東京五輪・パラリンピックを間近に控え、近年イベントはその件数を増加するとともに、求められる役割もより多彩かつ重要なものとなってきている。
しかし、依然としてイベント業界の実情とそこで働く人々の声が広く世に届いているとは言い難い。
そこで今回は、1986年の設立以来30年の長きにわたってイベント業界の発展に貢献し支えてきた(一社)日本イベントプロデュース協会の原田豊和氏をコーディネーターとして招き、イベント業界の実情を世に伝えるべく、来のイベントを担う4名の若手会員にイベントの現状とこれからについて語っていただいた。

(掲載=『EventBiz』Vol.3 より一部抜粋)

無題


-みなさんの業務内容についてお聞かせください

水嶋 5年前にNSコーポレーションに入社し、今はアシスタントプロデューサーをしています。社名の由来は日本管財のNと資生堂のSを組み合わせたもので、元々資生堂の社内用資料や紙媒体、イベントの制作を主にビジネス展開してきました。最近ではイベントだけでなく映像やウェブ制作なども手がけていて、多様化する消費者ニーズの変化を読み取り、顧客へさまざまなPRの提案する事が私の業務です。

田中 私は今年入社3年目で、現在はkids事業部にいます。主にイベント会場へアルバイトスタッフの手配を担当しています。部署名の「kids」とは20~30代を中心とした、大学生やフリーターなどの若手スタッフを意味します。学生のアルバイトだけでなくイベント業界の仕事が好きで専門的にやっている方もいて、そのようなスタッフを募集し、会場に派遣するまでが私が受け持っている仕事です。

山本 home village(ホームヴィレッジ)ではイベントや不動産、太陽光事業などをしています。私のいるイベント事業部では突然通行人が街中で踊りだすフラッシュモブやサプライズ、街コンなどを展開していて、ゆくゆくは着ぐるみを着てのパフォーマンスなど幅広い活動をしていきたいと考えています。

池澤 私は2009年から今年3月までの7年間イベントの企画制作会社にいて、最近今の会社に転職したばかりなのですが、前職では全国で開催される大型スポーツイベントや地域活性化イベント事業を中心に、営業職として顧客ニーズの課題解決を行なう役割で活動してきました。顧客ニーズに対応したイベントを実現するためのコンセプト設定や空間プロデュース、演出手法などについては社内外のチームメンバーと綿密に打ち合わせを行ないながら最適なイベントを企画提案していました。

その2→

【JEPC若手座談会】 創立記念行事合同企画 ~イベントの現場から未来を覗いて~その2


誰かを喜ばせると自分も嬉しくなれる

写真1

―イベント業界で働こうと思ったきっかけは何ですか

田中 私の場合、イベント業界という存在を入社してから知りました。事前にホームページに記載された業務内容を見て「イベント設営って何だろう」という疑問は持っていたのですが、実態は働きながら少しずつ分かってきた感じです。学生時代に東京ビッグサイトで展示会の手伝いしたことや、地元の祭りを手伝ったことはありましたが、それが仕事として確立しているなんて想像もしませんでした。

山本 私は単純にイベントが大好きという気持ちでこの業界に入りました。学生時代から文化祭などのイベントに参加するのが好きで、参加しているうちに自然と企画をする機会も増え、せっかくなら仕事としてやってみたいと思うようになりました。昨年までは地元の栃木で小学校の教師をしていたのですが、代表との出会いもあり、いろいろな世界を見てみたくて一歩を踏み出しました。今はイベント業界とはどのようなものか、日々学んでいます。

池澤 私も山本さんと同様で、イベントが好きという気持ちによるものです。6歳の時に父の影響で「欽ちゃんの仮装大賞」に出演したことがあり、近所の友達から「凄かった」とか「面白かった」という反響を貰えてとても嬉しかったのを覚えています。自分が何かをすることで周りの人間が幸せになってくれれば、それに勝る喜びはありません。その頃から文化祭や運動会などの行事には積極的に参加し、盛り上げていくというのが自分のルーツになりました。
進学してイベントビジネスを学んでからはさらに魅力的だと思うようになり、「数多くのイベントを通じて日本文化の理解や社会貢献、大好きなスポーツを社会に広く発信していきたい」と思いこの業界を選びました。今は自分の選択に間違いはなかったと満足しています。

水嶋 学生時代に土日に働けて日給でもらえるイベントのアルバイトをしてみようと思ったんです。最初の現場で、多くの芸能人を見かける非日常的な経験がとても刺激的でした。また、コーヒーメーカの商品PRイベントに参加した時には、お客さんが喜んでいる姿をダイレクトに感じることができて、「誰かを喜ばすことで自分もこんなに嬉しい気持ちになれるんだ」と気づき、イベントに魅了されました。

その3→

【JEPC若手座談会】 創立記念行事合同企画 ~イベントの現場から未来を覗いて~その3

仲間の輪がどんどん広がっていく

写真2

―イベント事業のやりがいや難しさについてお聞かせください。また、楽しかったり充実している瞬間はどのような時ですか

山本 イベント業界の楽しさは、人との出会いの機会が多いことだと感じています。ここ数カ月を振り返るだけでも、大勢の方と知り合うことができました。出会った瞬間は分からなくても、そこから新しい仕事につながっていたり、地域同士を結び付けたりと、私の行動次第でいろいろな可能性をつないでいけるというのは、とてもやりがいのある仕事だと思います。自分でイベントを動かしているので全体のタイムスケジュールを調整したり、逆算してリハーサルなどを組まなければいけないのは大変ですが、苦労して作り上げたイベントを楽しんでくれているみんなの顔を見たり、時には自分も参加してしまって思いっきり楽しんでいます。

池澤 自分が手がけたイベントが全国テレビで生放送されたり、翌日の新聞の1面に出たりとスケールの大きさを味わえるのはこの業界ならではの特権だと思っています。また、イベントを通じて顧客や来場者との一体感を感じることも大きな魅力です。やるからには常にしっかりしたものを作りたいと思っていて、新人の頃はその思いの大きさに振り回され、空回りしてしまうこともありました。良いものを作ることはもちろん大切ですが、会場条件や制作物管理・安全性の確保をはじめ、多くの要因をクリアしてイベントをつくり上げていくといった状況の中で、顧客のニーズに応え「イベント全体を上手にコーディネートしていく」ということが重要、と最近になって思えるようになりました。イベントは天候などその時の環境によって大きく姿を変えるので、まったく同じイベントというものは2つと存在せず、マニュアルをその都度変更するなど臨機応変な対応が求められる点で非常にシビアではありますが、その分苦楽を共にした仲間との絆は強く、仲間の輪がどんどん広がっていくのが楽しみだったりします。特にイベント業界は業務領域が広範であることから、特定の業種にとらわれず仕事ができることも魅力的です。

水嶋 正直に言うと、性格的にやりがいや楽しさより力不足ゆえの後悔が先に立ってしまいがちです。常に狙っているのは100点なのですが、それが顧客にとっても100点になるというのは凄く難しい。絶対的な数値や評価が見えにくいのも一因かもしれません。逆に顧客から良かったと褒められても、自分が満足できていないということも多々あります。毎回毎回反省して、次はより良いものを作ろうと切磋琢磨しています。あえてやりがいを挙げるとしたら、その悔しい思いをバネに成長できているという実感でしょうか。
また、楽しさとは少し違うかもしれませんが、イベントを通じてさまざまな会社の方と仕事をして「この人すげぇ!」と刺激を与えてくれる人と出会う確立は高いと感じます。イベントと一括りに言っても幅広い業界で、さまざまな経験を積んでいたりする人が社内でも大勢いて、なおかつ個性が強くキャラも濃いので、いやがおうにも刺激を与えられます。私の場合は真っ向勝負しても勝てないと思っているので、メディアという自分の強みを活かして先輩たちがやってこなかった別のもので勝負しようと考えています。

田中 顧客から場所と内容をいただいた際、現場に見合った人数やスタッフを手配できるかどうかは経験に左右されます。顧客が真に希望していたスタッフを手配できたと感じた瞬間に、やりがいや充実を感じます。難しい点は、近年の人手不足で思うようにスタッフを手配できないケースがあることです。イベントは大抵、GWや夏休み、年末年始など年間行事とスケジュールが重なるので、特に全国的な現場をご依頼頂く際、地方の人手が足りていなくていつも苦労しています。ここ数年、私が入社してからは常にアルバイトスタッフ確保に奔走しているのが現状です。

その4→

【JEPC若手座談会】 創立記念行事合同企画 ~イベントの現場から未来を覗いて~その4

写真3

―将来について、どのような目標や展望をお持ちですか

池澤 前職で培った経験と前向きに挑戦する姿勢で、今後はイベントだけにとどまらずTVやCMといったメディアを有効活用し、さらに大きなフィールドで顧客の要望に応えていきたいです。それと、デジタル化が急速に進む現代だからこそ社内外を問わず人との接触を大事にし、広告代理に必要な知識を蓄えると同時に、口コミから生まれるような「生きたイベントの熱気」をより多くの人に伝えていければと思います。

水嶋 まずはプロとして確かなクオリティを提供していきたいですね。今はイベントや映像やウェブなどの制作が簡単にできる時代だと思っているのですが、それは同時に質の低下にもつながりかねない。たとえば一般の方がスマホで撮った映像をアップするだけでも、楽しい映像コンテンツとして成り立ってしまう。けれどやっぱりプロの映像と比較するとクオリティは雲泥の差で、楽しさの先にある感動を与えることはできない。そのラインを差別化するためにも、われわれがプロとして常に高い水準を意識しなくてはいけません。
もう少し将来的な話だと、文化や話題性を発信する第一人者になりたいです。たとえばイベント情報の発信ひとつとっても、TVや新聞での告知記事からインフルエンサーによるSNSでの拡散といったようにどんどん変わっていて、しかもその流れが徐々に早くなっている。少し前まで話題だったプロジェクションマッピングも新鮮さに欠けて、今やVR(バーチャルリアリティ)に移っている。じゃあ次は何が来るのかと聞かれたときに、自分が最先端を発信できるようになっていたいんです。そのため、日ごろから常にアンテナを張っていようと心がけています。

田中 全国に人材をしっかり確保できるようにしたいです。その上で、スタッフ個々の特技・技能・個性をいかした業種の細分化も考えています。スタッフには働きやすい現場提供と、ベテランが新人育成につながる環境も考慮しつつ、顧客のニーズに応えていきたいと思います。

山本 私は何よりもまず、自分の仕事で地元の栃木を盛り上げて、栃木も会社も大きく発展させていきたいと考えています。3年後には「栃木で有名なイベント事業部の山本」になるという夢があります。夢の実現のためにも、今はひたすらに経験を積んでいくつもりです。

―ありがとうございました。皆さんのますますの活躍に期待しています

座談会を終えて→

【JEPC若手座談会】 創立記念行事合同企画 ~イベントの現場から未来を覗いて~座談会を終えて

座談会を終えて

日本イベントプロデュース協会の原田豊和氏(コーディネーター)

当協会会員4名の座談会であったが、それぞれが第一線で活躍し、重要なポジションにいる世代である。職業柄というべきか、常に品質の向上、業務の効率性の追求を目指していることが多々うかがえた。変化の激しい世の中で、近い未来を見据えてのニーズを捉えた企画を提案出来るかということが課題であることも確かであった。

もっともっと業界として創造的であってもいいのではないかと最近思う。職人的に業務をこなし、なおかつ“ぶっ飛んだ”企画も提案できるような人材が求められているのではないか、社会からイベントに対して求められている質感の変化が理由ではないかとも考える。

当協会設立時より関与している先輩の話だが、設立当時は「イベント」に対する社会の認識がきわめて乏しく、今日のように社会全般で頻繁にイベント用語が使われている状況を見ると、隔世の感があるとのこと。当協会は今年11月17日に創立30周年記念行事を行なうが、多くの方々にご出席いただきたい。

スポーツ施設に関わるプロが集結 ~展示会とコンファレンスが日本初開催”Stadia and Arena”~

ALAD社(英国)は日本で初開催となる、スポーツ施設に携わる世界のプロフェッショナルが集う展示会とコンファレンス「Stadia and Arena Asia Pacific 2016」を9月26日から28日までの3日間、横浜アリーナで開催する。
SAEAsiaPacific2016websitelogo

1997年にイギリスで誕生した「Stadia and Arena」は、スポーツ会場運営のノウハウやテクノロジーが集結するほか、文化などの交流の場として高い評価を受け、毎年開催されている。2019年開催予定のラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピック、2021年ワールドマスターズゲーム、そして2026年アジア競技大会の候補地として愛知県が名乗りを上げるなど、日本におけるスポーツ施設需要の高まりや、スポーツ競技界からのニーズにより日本での開催が実現した。

スポーツ施設の新設に伴う情報収集や2020年に向けて老朽化した施設のリノベーション、施設の充実した整備方法の模索、遊休地の活用、施設経営の黒字化、人材育成の強化、施設利用の向上などの課題に対し、さまざまな提案を行なう展示商談会とコンファレンスを行なう。また今回の会場となる横浜アリーナをはじめ、近隣のスポーツ施設を見学するツアーも実施する。

出展対象はスポーツ施設設備・機器、グランド整備機器、建築・設計、プール設備・機器、そのほか施設管理システムやトレーニング機器、保険などで、来場対象は国内外のスポーツ施設オーナー、施設指定管理者、スポーツ競技協会・団体、都道府県・市町村、サプライヤー、建築・設計事務所、官庁・自治体関係者など。

現在、出展者やスポンサーを募集中。
出展やスポンサーに関する問合せはスペースメディアジャパンまで。

展示会:Stadia and Arena Asia Pacific 2016
WEBサイト:http://saevents.uk.com/
会期:2016年9月26日~28日
会場:横浜アリーナ

「見本市展示会通信」第732号 2016年6月15日発刊 より一部抜粋

【海外NEWS】コンテンツマーケティングのイベント ~今年も米国オハイオ州で開催~

「コンテンツマーケティングワールド(Content Marketing World)」が9月6日から9日の4日間、米国オハイオ州・クリーブランドのHuntington Convention Center of Clevelandで開催される。
CMWorld16_Logo_rev
これは、コンテンツマーケティング分野の最新テクノロジーやノウハウを学び、ネットワーキングを構築するためのイベント。毎年開催しており、昨年(2015年)は世界約50ヵ国から3,500人のマーケターが集結した。
会期中は、世界のマーケターを中心に80セッションの講演、ネットワーキングイベントなどが実施される。
その他、詳細はWEBサイトまで。

展示会:コンテンツマーケティングワールド(Content Marketing World)
会期:2016年9月6日-9日
会場:米国オハイオ州・クリーブランド Huntington Convention Center of Cleveland

【EventBiz特集】
ごみを「拾ってキレイ」にする時代は終わった!?
~あるボランティア団体が仕掛ける「拾わなくてもキレイ」にする仕組みとは~

ピーオーピー発行の季刊誌「EventBiz(イベントビズ)」は、イベントビジネスに関する情報を発信している。5月31日発行ではサブタイトル“食イベントのレシピ”と称し、食にまつわるイベントを支える人たちに焦点を当てた。その1つのテーマを、ここでは全編公開する。

不特定多数の人々が集まるイベントで出る大量のごみ。特に食のイベントでは
トレーや割りばし、ペットボトルなど、より多くのごみが排出される。
「肉フェス」など大型イベントで活動するNPO iPledge(アイプレッジ)のプロジェクト「ごみゼロナビゲーション」から、環境対策へのアプローチやごみ対策の可能性を探る。

top

◆ピースフルなイベントでみたものとは

プロジェクト「ごみゼロナビゲーション」を行なうNPO iPledge は、設立が2014年と新しい団体だ。だが、このプロジェクト自体の歴史は長く、およそ20年にわたる。1994年、まだ〝フェス″という呼称になじみのない頃、羽仁カンタ現代表やメンバーはいち来場者としてレゲエ音楽イベントに参加していた。平和・平等を謳うレゲエだが、会場ではごみの散乱など、来場者のマナーのなさが目立ち、実情はそのイメージとはかけ離れたものだった。その後、この状況に疑問を抱き、イベントの運営事務局に問い合わせたことがきっかけとなり、国際青年環境NGO A SEED JAPAN のもとプロジェクト「ごみゼロナビゲーション」が始動することとなった。

◆環境への取組みを意識すること、させることの重要性

<“ナビゲーション”のこだわりから見えるプロジェクトへの思い>

ごみゼロナビゲーションは、「来場者参加型」のしくみをつくる〝イベント環境対策プロジェクト″と謳っており、プロジェクトそのものが生活の中における分別の啓発活動としての一面を持っている。自発性がなければ人は動かないのである。

DSC_0055
事務局長の濱中聡史氏

事務局長の濱中聡史氏は過去に苦い体験をした。

とある会場でごみ拾い活動をしたことで、来場者に「誰かが拾ってくれる」という考えが出てきてしまい、ごみの散乱を抑えきれなかったのだ。

スタッフがごみを受け取って分別を行ない、来場者が分別してもらう側(=受け身)となってしまうことはごみの散乱の延長線上にあるのではと考え、最後まで自分の手でごみを分別することの大切さに気付いたという。

「普段ごみ箱の前に人が立って分別を指示されることはないでしょう。でもイベントの時にナビゲーションされ自分で分別すると、日常でも意識するようになる。私たちの活動はイベントが終わっても環境に対する意識を持ってもらうということを目的としています」(濱中氏)。

環境対策への近道は、ごみを拾うのではなく、拾う必要のない状態にする仕組みづくりであり、それはイベント以外の場所でも同様に必要と言える。

<ボランティアが機能するために>

写真C
会場にはエコステーションが設置され、ボランティアスタッフは分別のナビゲートやごみ袋の交換など、その場の管理を行なう

通常イベントスタッフを募集するときの雇用形態は、派遣スタッフやアルバイト、無償のボランティアなどさまざま。コスト面を考えるならばボランティアだが、スタッフの質を考えるならば対価を払って、と悩む主催者も少なくないだろう。ではなぜ、ボランティアスタッフをメインに活動しているNPO iPledge に声がかかるのか。
何となく〝ボランティア″という言葉に魅かれただけで参加をすると、そのモチベーションを維持することは難しい。イベントでのボランティアということで華やかな仕事を想像して応募したものの、与えられた仕事がごみの担当だった、ということでモチベーションが下がる場合も多々あるだろう。無償だからこそ、モチベーションが仕事のクオリティに直接影響する。そしてスタッフの仕事ぶりは来場者にとっても、直接イベントのイメージに関わることもあるため軽視できない。

そういった理由から主催側がボランティアをスタッフとして活用することを不安と考えるのは無理もないことだ。

写真D
スタッフのナビゲートに従い、トレーを適切なごみ箱へ入れる来場者

しかし、募集しているのが環境問題対策として活動や思いを訴えている団体であれば話は変わるのではないか。環境問題に意識が高く、このプロジェクトに賛同する人を最初からごみの担当として募集すれば最適なスタッフをコーディネートできる。NPO iPledge はボランティアの課題として挙げられるスタッフのモチベーションの問題を、応募の前の段階である動機づけが重要と考え、〝イベント環境対策プロジェクト″という活動に対する思いや熱意を掲げることで解決した。

ページ1ページ2

 

 


表紙

→この企画は季刊誌「EventBiz(イベントビズ) Vol.3」より抜粋

そのほか、イベント現場におけるトイレ事情や、ユニットハウスやキッチンカーを使った出店状況の変化などにフォーカスしてます。