【連載】営業活動を成功させ、安定的な売上を創出           ==第6回==  リードナーチャリング(見込客育成)

【好評連載】営業活動を成功させ、安定的な売上を創出

~約500社の営業コンサルティング実績から成功法則を伝授~
(株)スリーシーズ 代表取締役 畑中康彦氏

◆第6回 リードナーチャリング(見込客育成)

株式会社スリーシーズ 代表取締役の畑中康彦です。
第6回目のコラムは、「リードナーチャリング(見込客育成)」についてです。

「リード=商談でも、リード=受注でもありません。リードは、興味があることが顕在化しただけですので、リードをあたためて商談化させ、受注に繋げる動きがこの後に必要になってくるのです」という形で、前回のコラムを締めました。

「リードを暖めて」の部分が、リードナーチャリングになります。リードに対して、売り手がやるべきことは、定期的に適切な情報提供を続け、受注までの階段を上りやすくするための後押しをします。そして、いざ階段を上ろうと行動を開始した瞬間に手を差し伸べて頂上に引き上げる(=受注)ことです。

リードナーチャリングという施策をどのように成功させるか、弊社のコンサルティング成功事例を元にお伝えします。

某IT系の企業には、毎月500件近くの無料トライアルの申し込みが来ていました。しかし営業が5名しかいないため、すべてのフォローアップができずに、毎月契約となる50社以外、残り450社は未コンタクトとなっていました。

【STEP1:体制作り】
マーケティング=商談を獲得するチーム、営業=商談から受注を獲得するチームに分けて、リードナーチャリングの機能をマーケティングに含めました。そして、無料トライアル後、未コンタクトとなっている領域をフォローする担当を配置しました。

【STEP2:見込客の属性分け】
無料トライアルを申し込む際のアンケートにさまざまな工夫を凝らし、見込客を全部で8パターンの属性に分けることにしました。

【STEP3:属性に応じた仮説立てとコンテンツ作り】
属性ごとに、どのようなことで困っているのか?どんな情報を届ければ、見込客のアンテナに反応するかを考え、小冊子やWEBページなどコンテンツを多数用意しました。

【STEP4:定期的な情報発信】
多数用意したコンテンツ、書き溜めたコラムを月に2回のペースで属性ごとに、最適なコンテンツをメールにて配信するようにしました。

【STEP5:見込客をスコアリングし、適切なタイミングでアプローチ】
メール閲覧の状況やWEBサイト閲覧の状況をスコアで管理し、スコアが高まった見込客に対して、メールや電話にてアプローチし、アポイントを獲得するようにしました。

このようなSTEPを経て、無料トライアル終了後の未コンタクトリストから毎月70件程度の再商談を発生させることに成功したのです。

このように、リードナーチャリングの仕組みを構築することで、
獲得したリードから長期的な視点で受注を獲得できるようになります。

<アーカイブス>
==第1回==  問題を特定し、一つずつ改善を
==第2回==  営業を仕組化する
==第3回==  営業の仕組化:成功事例から学ぶ
==第4回==  営業戦略:ターゲットの考え方
==第5回==  リード(顕在客)獲得

//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
プロフィール

畑中 康彦 (株)スリーシーズ代表取締役/ 顧客開拓研究家

慶応義塾大学法学部卒。
1999年リードエグジビションジャパン株式会社入社。IT系の国際見本市のプロデューサーとして、企画営業・来場者動員に従事。
2003年に営業コンサルティング分野で唯一の上場会社である、株式会社セレブリックスに入社。コンサルティング事業本部統括マネージャーとして、100社を超える顧客開拓プロジェクトを指揮。顧客3倍増など数々のプロジェクトで成功を収める。
2010年、営業ツール制作を軸とした「営業の仕組化」支援を行なう(株)スリーシーズを設立し、代表取締役に就任。
「営業の仕組化/標準化」「営業力の強化」「リードの育成」などのテーマで日々、クライアント企業に対して具体的な営業支援を提供している。

株式会社スリーシーズ http://www.salestool.jp/