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“人を残す”業界へ――日本ディスプレイ業団体連合会・永田会長インタビュー

2025年5月、日本ディスプレイ業団体連合会(日デ連)の新会長に永田智之氏(フジヤ代表取締役社長)が就任した。展示会・イベントの再活性化が進む中、業界を取り巻く課題と可能性にどう向き合い、どのような未来を構想するのか。人材育成や労働環境の改善、地域・関連団体との連携強化など、次世代に向けた取り組みと連合会のビジョンを聞いた。(「見本市展示会通信」7月15日号より転載)

業界回復の中で新体制スタート

日本ディスプレイ業団体連合会 永田 智之 会長(フジヤ代表取締役社長)

――日デ連会長ご就任おめでとうございます。就任にあたってどのような経緯や思いがありましたか

会長職就任のお話は、吉田前会長(トーガシ代表取締役社長)からいただきました。私としても、いずれは業界のお役に立ちたいという思いを持っておりましたので、微力ではございますが、その重責をお引き受けすることといたしました。

昨年度まで、吉田さんのもとで副会長を務め、一緒に活動してまいりました。非常に論理的に物事を組み立てる方ですので、吉田さんの築いてこられた、これまでの路線を大切にしながら、今後も着実に継承・発展させていきたいと考えております。

なお、吉田さんには現在「監事」という立場で引き続き日デ連にご関与いただいております。本来であれば相談役に就いていただくのが通例ではありますが、現在は日本展示会協会の理事も務めておられることから、関係団体との連携に努めていただけるよう、監事職をお願いした次第です。

――コロナ禍による影響と、その後の変化についてどう捉えていらっしゃいますか

リアルの大切さを改めて認識した方々が多くいらっしゃると思います。オンライン展示会やリモート開催も確かに機能しましたが、それはあくまで「サブ」の手段。臨場感や空気感は、現場に足を運ばなければ感じ取ることはできません。リアルな場で得られる体験の価値は、やはり非常に大きいものです。実際、リアル開催が本格的に再開された2023年以降、展示会をはじめとする集客型の事業では、来場者が着実に回復しています。

ODA理事長時代を振り返る

――日デ連会長に就任される前は、大阪ディスプレイ協同組合(ODA)の理事長も務められていました。改めて、その頃を振り返ってみていかがでしょうか

ODAの理事長は6年間務めさせていただきました。ちょうど2019年からで、そこからすぐにコロナ禍に突入しました。私たちがかつて経験したことのないようなできごとで、リアルの場がすべて遮断されてしまった。私たちの仕事が「蒸発した」と言ってもいいような状況でした。

ODAの前々理事長は浜田さん(つむら工芸代表取締役)で、日デ連の会長も務められていた方です。その時代から、ODAには全国との交流を大切にする風土がありました。

各地の団体は、それぞれ異なる事情を抱えています。展示会やイベントの開催数が圧倒的に少ない地方では、ディスプレイ業にとどまらず、内装やサイン、看板広告など、さまざまな業務を兼ねながら経営を続けている会社が少なくありません。だからこそ、他の単組との接点を持つことによって、お互いに間口を広げるような取り組みが実現できていたのだと思いますし、私自身もその考えに深く共感しておりました。

――他の地域とはどのような交流があったのでしょうか

「移動理事会」という取り組みを行っていました。これは、年に1回、多いときは年2回ほど、理事会を他地域で開催するという形式です。毎回「次回は〇〇地域で開催しよう」と話し合って決め、そこでODAの理事会を開催し、理事会終了後にはその地域の団体の理事の方々との懇親の場を設ける。そうした中で、自然と親近感や交流が生まれていきました。

今後も、単組同士の距離を縮め、相互の理解と連携を深めていくことが重要であると考えております。

業界の未来を守るために

――ディスプレイ業界が抱える課題は何でしょう

まず、ディスプレイ業界は、一般的な認知度が決して高いとは言えません。「ディスプレイ業」と言っても、その内容や役割について、なかなか理解してもらえないのが現状です。これは、以前から業界内でもたびたび指摘されてきました。

街を歩けば、いたるところに私たちの仕事の痕跡が見つかります。建物の外装や看板、ショウウィンドウ、ショールーム、ショップの内装、そうした空間演出はすべてが私たちの業務領域にあたります。人々の生活環境に直結している業界であるにもかかわらず、一般的な認知度が低いことが大きな課題となっています。この業界が社会に大きく貢献していることを、もっと広く明らかにしていく必要があります。

――業界の認知度の話ともつながりますが、業界の入口を広げることが大きなテーマになりますか

業界の未来を担う人材の獲得が大きなポイントになると思います。特にデザイン系の学生は、ディスプレイデザインに対する理解もあって、最初から関心を持ってくれます。

ただし、営業職など一般職で入社を希望される方にとっては、最初からディスプレイ業界が視野に入っているわけではありません。就職活動の中で、偶然目に留まるケースが多いのではないでしょうか。

同じ「裏方」の業界であっても、例えば広告代理店はマスコミ業界の一部として認識されています。しかし、我々の業界はそのさらに奥に位置しており、存在自体が気づかれていない場合が多いと感じています。

日デ連には700事業所を超える構成員が加盟しており、その業務内容や規模はさまざまです。会員企業は、総合ディスプレイ会社と、そこから仕事を受託する製作会社という関係構図になっています。受注と発注のサイクルを活性化させるには、業界全体の労働力を担保していくことが重要です。業界の仕事が「楽しい」「やりがいがある」と感じてもらえることで、新たな人材に志望してもらえるようになり、これが長期的には業界全体の繁栄につながります。

――最近では若手人材の確保についての課題感も耳にします。特に男女比の偏りなど、気になる点はありますか

実感として、新卒採用において男性が少ないと感じています。もちろん、女性が活躍できる業界になってきているのはとても良いことです。現場も分業化が進み、女性が働きやすい環境が整いつつあります。

ただ、それとは別に、そもそも男性の応募自体が少ないという構造的な問題を感じています。業界としては、男性の志望者を十分に惹きつけられていないという側面があります。これは「ディスプレイ業界が世の中からどう見られているか」という、根本的なイメージの問題にもつながってきます。

――労働時間や深夜作業といった点についてはどのように捉えていますか

我々の業界において、深夜作業や土日稼働があるのは事実です。例えば、大型展示施設である東京ビッグサイトや幕張メッセ、パシフィコ横浜でも、24時間稼働が当たり前のように行われています。午前0時からの基礎工事スタートということも珍しくありません。

ただ、これは日本特有の事情であるとも思います。海外の展示施設では労働者の環境が優先されており、深夜作業そのものが存在しないケースも多く見られます。それにもかかわらず、業界活動が鈍っているわけではないと思います。

ともすれば日本では「展示会=24時間稼働が当たり前」という考え方が根付いているのかもしれません。しかし、この点については見直す必要があるのではないでしょうか。

インテックス大阪のように24時間稼働を行わない施設もあります。それでも展示会は成立しており、実際に東京で開催されたものと同規模の展示を大阪でも実現できています。今後は、私たちの業界からも「変えていきませんか」と関係団体の皆様に改善策を呼びかけていきたいと思います。

――海外の展示会場と比べて、日本に足りないと感じる点はありますか

展示会場の設計思想そのものに違いを感じます。例えばドイツでは、展示施設とは別に、作業エリアや資材を備蓄する倉庫、廃材リサイクル施設まで備わっています。もちろん、我々の仕事は会場という土台があってこそ成り立つものですが、そうしたインフラ面では、日本の施設にもまだ改善の余地があると思います。

人が育ち、人が集まる

――ディスプレイ業界がより発展していくために、日デ連として今後取り組んでいきたいことや抱負があればお聞かせください

「ディスプレイ業界は社会に貢献している」ということを、もっと世の中に伝えていく必要があると考えています。この業界の仕事の内容は多岐にわたり、形として残せるうえに、やっていて楽しいものです。自分たちが関わった空間が、多くの人の目に触れ、時には人々の記憶に残ることもある醍醐味のある仕事です。

一方で、先述した労働時間や夜間作業の問題など、改善すべき点も残っています。そこで、業界全体が「より働きやすく」「より魅力ある職場」へと進化できるよう、関係団体と連携しながら、共に問題提起を行い、課題を協議していきたいと考えています。

また、各単組との連携も重要です。地域ごとに課題は異なりますが、それぞれの取り組みを共有し、横のつながりを深めていくことが大切だと考えています。今後は、日デ連として現場の声をしっかりと吸い上げ、全国にとって意義ある団体運営を目指していきたいと思います。

――業界全体には、日デ連に加盟していない企業も多く存在します。そうした企業への働きかけについては、どのようにお考えですか

まず、日デ連の構成員は、各地の単組を通じて所属しています。直接の会員も少数いますが、基本的には各地域の団体に加入していただく形です。そこで重要なのが「入会するメリットは何か」を明確に打ち出せるかどうかだと考えています。

加入することで直ちに仕事につながるといったことを期待するのではなく、業界内での交流が生まれたり、他社の姿勢から自社の目指す方向が見えたりと、相互に刺激を受けられる場としての価値を感じてもらえるかどうかが重要だと思っています。

――若手の育成や技術の継承についてのお考えをお聞かせください

人を育てることは、企業にとって最も大切なことだと思っています。よく「金を残すは三流、仕事を残すは二流、人を残すは一流」と言われますが、本当にその通りです。

ディスプレイ業界で働く魅力、それは「リアルな達成感」です。プロジェクトを仲間とやり切った時の一体感、現場で得られる熱量、そういう喜びは世代を超えて共有できるものだと思っています。

チームスポーツと通ずる部分があるかもしれません。年齢や立場、国籍も関係なく、同じ目標に向かって一緒に働くことで生まれる連帯感や達成感があります。それこそが、この業界の本質的なやりがいであり、最大の魅力だと思います。

――採用時に魅力をどのように伝えていくかも重要です

現在開催されている「大阪・関西万博」は、業界の魅力を伝える格好のチャンスだと考えています。実際に博覧会の会場を訪れることで、私たちの業界が、単にモノを展示するだけの“ディスプレイ”の枠を超え、デジタルテクノロジーも駆使しながら、多種多様な空間創造の分野へと活躍の領域を無限に広げていることを実感してもらえるはずです。現地での体験を通じて、世界中の人と出会い、現場で働く人たちの熱意を感じてもらう。そういう経験こそが「この業界で働いてみたい」と思う原点になるのではないでしょうか。

――日デ連では、学生向けに業界を知ってもらう取り組みもされているとか

各社のクリエイティブ部門の社員が委員として参画する「ディスプレイ振興委員会」が中心となって、全国の単組と協働し、毎年「NDFディスプレイセミナー」を開催しています。本年は6月末に大分にて開催し、「This is ”DISPLAY”」をテーマに、ディスプレイ業の魅力をさまざまな視点で発信しました。当日は、大学生や専門学校生など約160名の方々にご参加いただき、熱心に聴講いただきました。

これまでも、富山・熊本・福岡・大阪・札幌・広島と、地方を中心に開催を重ねてまいりました。あくまで手作りの活動でありますが、業態の魅力を伝える企画を自ら立案し、自分の言葉で語る。そのこと自体が、意義深く貴重な取り組みであると感じております。

――最後に、これからのディスプレイ業界をどうしていきたいか、会長としてのビジョンをお聞かせください

ディスプレイ業は本当に楽しい仕事です。その魅力をもっと社会に伝えていきたいですし、そこで働く人たちが業界に誇りを持ち、生き生きと働くことができる環境を整備していきたいと考えています。

そのためには、業界全体で事業を通じて社会に貢献し、社会から必要とされる業態になることを目指していくことが必要です。そうすることで、業界の認知度が向上し、業界全体の価値が高まり、社会的地位を確立することができます。多くの新たな人材が業界活動に参画し、未来に向けてさらに躍進する業界となるよう、連合会各位のご協力を仰ぐとともに、関係諸団体の皆様とも連携し、業界の発展と繁栄に努めてまいる所存です。何卒、皆様方のご協力を賜りますよう、今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

「TECH BEAT Shizuoka 2025」7月24日にグランシップで開幕

昨年度(TECH BEAT Shizuoka 2024)の様子

静岡県は県内企業とスタートアップの共創を促進する、大規模商談会イベント「TECH BEAT Shizuoka 2025」を7月24日から26日までの3日間、グランシップで開催する。7回目となる今回、過去最大規模となるスタートアップ約170社が参加する(昨年度:139社)。

先端テクノロジーを有するスタートアップが国内外から静岡へ集結し、先進的な技術展示や県内企業との商談を行うほか、日本を代表する有識者による各種セッションを多数開催。26日は昨年に引き続き、静岡の未来を担う子ども・学生向けの体験・展示など、事業者だけでなく、幅広い世代が楽しめる企画も実施する。

25日と26日にはマリンオープンイノベーション機構が主催する「BLUE ECONOMY EXPO@Suruga Bay 海の未来会議」も同時開催。駿河湾を臨む静岡市で、海洋経済(ブルーエコノミー)に関する国際会議、多種多様な海洋産業が一堂に会する展示会、水中ドローンのデモンストレーションなどが行われる。

UFI、2026-27年会長にメッセ・デュッセルドルフCEO ヴォルフラム・N・ディーナー氏を選出

国際見本市の業界団体UFIは、2026-2027年の会長にメッセ・デュッセルドルフグループの社長兼CEOであるヴォルフラム・N・ディーナー(Wolfram N. Diener)氏を選出した。

ディーナー氏は「世界的な課題が山積する今、業界を代表する者として、そして見本市産業の持つ『つなぐ力、刺激する力、前進させる力』を信じる者として、UFI会長に選出されたことを光栄に思う。私たちは、経済が私たちを最も必要とする場所―新興市場、そして国際交流の交差点―に存在しなければならない。見本市業界は産業界だけにとどまらず、ビジネス、政治、科学の橋渡しをする存在。この使命のもと協調的で未来志向、そしてインパクトのある見本市業界の構築に尽力していく」とコメントしている。

ディーナー氏は2025年11月に香港で開催される第92回UFIグローバル・コングレスで、次期会長としてプレジデンシャル・トリオに加わり、2026年11月の第93年コングレスで正式にUF会長職を引き継ぐ予定。国際見本市運営の卓越した知見と、メッセ・デュッセルドルフの国際的プレゼンスの高さが会長選出の決め手となった。

【新施設】「IGアリーナ」が愛知県名古屋市にグランドオープン

愛知国際アリーナは7月13日、愛知県名古屋市に「IGアリーナ」をグランドオープンした。日本最大級の最大収容人数1万7,000人のアリーナで、客席の形はスポーツ観戦に適したオーバル型とコンサートに適した馬蹄型客席配置を融合したハイブリッドオーバル型を採用している。

施設内のネットワークとして、ドコモのミリ波基地局、「Wi-Fi 7」、IOWN APNを導入。加えてイベント演出に関する設備についても250枚を超えるサイネージをはじめ、充実させている。さらに海外の観戦・鑑賞スタイルを導入し、スイートルームやプレミアムラウンジをはじめとするホスピタリティエリアを設ける。

飲食店については、なごやめしから世界のグルメまで幅広いジャンルの約20店舗が出店する。
公式アプリをリリースしており、イベントの最新情報の確認やイベントのチケット購入、アリーナ内の飲食店でのモバイルオーダーが可能となっている。

コンセプトには「BEYOND ARENA」を掲げており、「これまでのアリーナの観戦・鑑賞体験を超え、日本におけるスポーツやエンターテインメントの楽しみ方をアップデートする」「かかわるすべての人が笑顔になる、ココロオドル場所にしてゆく」決意を込めて決定した。
こけら落としは大相撲名古屋場所を行い、B 1リーグ所属クラブ「名古屋ダイヤモンドドルフィンズ」のホームアリーナとなる。

■IGアリーナ概要
事業主体:愛知県(BT+コンセッション方式)
運営:愛知国際アリーナ
所在地:愛知県名古屋市北区名城1-4-1名城公園内
アクセス:名古屋駅から15分、名城公園駅徒歩0分、浄心駅徒歩18分
階数:5階建て(観客席は4階まで)
高さ:建物高さ 41m、アリーナ内天井高 30m
建築面積:26,500㎡
延床面積:63,000㎡
最大収容人数 :17,000人(立ち見含む) 、バスケットボール時 15,000人(着席)
つり下げ荷重:100トン超

 

【政府】イベントにおける女性用トイレ行列改善へ向けて通知

政府は7月9日、女性用トイレにおける行列問題の改善に向けた関係府省連絡会議を開催した。

「経済財政運営と改革の基本方針 2025」(令和7年6月13日閣議決定)※において、女性用トイレの利用環境の改善に向けた対策の推進が位置付けられたことを踏まえたものとなる。

会議では以下3点などについて取り組んでいくことが検討された。

1.好事例の収集と普遍化

駅や百貨店、アリーナなど様々な施設において、女性用トイレの行列の改善やその男女間の差の解消に積極的に取り組んでいる内外の好事例を収集・整理する。また、これら好事例が全国のトイレ行列問題の改善に普遍化されるよう、関係団体等を通じ、施設管理者に働きかける。

2.トイレの設置数に係る基準の点検・見直し

学会等の各種法人が設けている現行基準について、必要な点検や見直しが的確かつ円滑に行われるよう、内外の調査などを踏まえつつ、国として、点検・見直しに係る共通事項や基本的な方針をガイドラインとしてとりまとめる。

3.仮設トイレに係る緊急の呼びかけ

花火大会や秋祭り等の際に設置される仮設トイレについて、設置個数や男女比率を検討する際は、過去の行列の状況等を勘案し、男女間の行列の著しい差が発生しないよう、政府からイベント主催者に広く緊急の呼びかけを行う。

また、イベントに関わる各協会などへ向けてイベント開催時における女性用トイレへの配慮について協力依頼を出す予定だ。

以下は、内閣官房HPより抜粋した(通知案)です。

 

イベント開催時における女性用トイレへの配慮について

(ご協力依頼)平素より〇〇行政にご理解とご協力を頂きありがとうございます。花火大会や盆踊り、野外フェス等多くのイベントが開催される季節となる中、円滑な入退場や交通の確保、近隣住民への配慮、仮設トイレの設置等様々な対応に努められていることに敬意を表します。

一方で、イベント時におけるトイレの長い行列は、行列を心配して水分補給を控え、熱中症の危険性にもつながる恐れがあります。

特にトイレの行列は男女間で待ち時間の差が生じる場合もあるところ、政府としても、女性用トイレにおける行列問題の改善に向けた関係省庁連絡会議を立ち上げ、これらの待ち時間の差ができるだけ少なくなるよう取り組むこととしています。

ついては、関係機関の皆様におかれては、既にご対応いただいているところと存じますが、男女ともに安心して快適にイベントを満喫できるよう、トイレの利用環境の整備に当たっては、改めて以下の点へのご配慮をお願いします。

(トイレ設置数や設置エリアの工夫)
1イベント開催時に仮設トイレを設置する場合は、男女で混雑の程度についてなるべく差が生じないよう、バランスの取れた設置数、設置エリアの工夫等をお願いします。

(トイレの柔軟な一時転用)
2近隣施設の管理者等と調整した上での近隣施設のトイレの一時的な活用や、常設の男性用トイレの女性用への一時転用など、柔軟な対応をお願いします。

(混雑緩和のための案内・情報提供)
3会場内に複数のトイレがある場合は、他のトイレ利用状況について適切に案内することや、イベント開催のお知らせのチラシ等においてトイレの位置、規模、混雑予測などの様々な情報を参加者に周知いただくことをお願いします。

 

※該当箇所
「経済財政運営と改革の基本方針 2025」
第2章 賃上げを起点とした成長型経済の実現
4.国民の安心・安全の確保
(7)「誰一人取り残されない社会」の実現

抜粋:
国立女性教育会館を機能強化した、機構法196に基づく新機構の創設により、地域の男女共同参画を推進する。女性特有の健康課題197及び性差に由来した健康課題198への対応の普及に向け、女性の健康総合センターや大学、研究機関における調査研究や全国的なネットワーク体制の構築を進めつつ、中小企業の健康経営の取組への支援やフェムテックの利活用など女性の健康支援に取り組む。女性用トイレの利用環境の改善に向けて、国内外の動向等の把握を進め、対策を推進する。男女共同参画の視点に立った防災・復興、WPS、多様な被害者への相談支援の充実等199の性犯罪・性暴力対策やDV・ストーカー対策、官民協働の支援体制の構築等の若年女性を含む困難な問題を抱える女性の支援に取り組む。

【大阪・関西万博】MICE業界関係者ら約300人が参加しMICEネットワーキングを開催 サステナブルな取組み事例を共有

(見本市展示会通信2025年7月1日号より転載)

イベント・MICEサステナブル運営コンソーシアム(日本イベント産業振興協会、日本コンベンション協会、日本展示会協会、日本ディスプレイ業団体連合会、2025年日本国際博覧会協会、大阪観光局)は6月10日、大阪・関西万博会場内のEXPOサロンで「MICE&EventProfessionalsMeetingat大阪・関西万博」を開催した。

日本全国の自治体やコンベンションビューロー、10カ国以上の海外パビリオン関係者など、MICE業界関係者ら約300人が参加した。

主催者からは大阪観光局MICE政策統括官の田中嘉一氏が代表として挨拶。

「万博は巨大なMICEだが、これまでMICE関係者のネットワークの場がなかった。今回、主要なMICE産業団体と万博史上初のMICE関係者のミーティングを開催できて良かった。大阪・関西万博のキャッシュレスシステムやパーソナルエージェント(アプリ)、翻訳システムなどはMICEの進化に必要なものだ。

同様にサステナブルな取組みも必要不可欠で、その事例について本日共有していただく」と語った。

発起人挨拶では2025年日本国際博覧会で会場運営プロデューサーを務める石川勝氏が登壇。石川氏は2020年に策定した基本計画と比べ、実際のSDGsに関する取組みはより踏み込んだ内容になっているとした上で、「万博だけでなく、展示会や国際会議でもSDGsに関する踏み込んだ取組みを取り入れるべきだ」と指摘。

グローバル化が進んだ昨今ではSDGsに関する要求も高いレベルになっていることから、今回MICE関係者らが集うミーティングを開催できたことが意義深いものであると述べた。

講演ではまず、2025年日本国際博覧会協会で持続可能性局長を務める永見靖氏が登壇。

大阪・関西万博は史上初の人権デュー・ディリジェンスを実施する万博であり、ユニバーサルデザインやユニバーサルサービスガイドラインに基づいて運営されている多種多様な人が楽しめるものであることを説明した。

また、循環型社会実現に向けた施設・建材・設備のリユースサービスサイト「万博サーキュラーマーケットミャク市」を紹介した。

海外パビリオンによる先進的取り組み事例紹介では、オーストラリアパビリオンでパートナーシップ・プログラム担当/アシスタントディレクターを務めるコンスタンティン・ニコラコプロス氏と、オランダパビリオン陳列区域副代表プロジェクトディレクターのアイノ・ヤンセン氏が登壇。オーストラリア館で使われているスーパートラス・システムや、オランダ館の脱炭素と資源循環に関する取組みなどを紹介した。

今週の展示会スケジュール(7/14~7/21)

▽岩手県
07/16(水)~07/18(金)
アイーナ・いわて県民情報交流センター
コンクリートテクノプラザ2025

▽宮城県
07/17(木)~07/21(月)
夢メッセみやぎ
全国やきものフェア㏌みやぎ 2025

▽東京都
07/16(水)~07/18(金)
東京ビッグサイト
自治体総合フェア2025
企業立地フェア2025

07/16(水)~07/18(金)
東京ビッグサイト
国際モダンホスピタルショウ2025

07/16(水)~07/18(金)
東京ビッグサイト
CAFERES JAPAN 2025
第4回Take-out&Delivery Show
第13回Tokyo Cafe Show
第6回Japan Bakery&Sweets Show
・ナチュラル&サステナブルフードShow

07/16(水)~07/18(金)
東京ビッグサイト
第4回国際発酵・醸造食品産業展

07/16(水)~07/19(土)
東京ビッグサイト
MF-TOKYO 2025 第8回プレス・板金・フォーミング展

▽愛知県
07/14(月)~07/16(水)
ポートメッセなごや
ビューティーワールド ジャパン 名古屋 2025

07/16(水)~07/17(木)
ポートメッセなごや
ファベックス中部2025
中部デザート・スイーツ&ベーカリー展
東海スーパーマーケット&ドラッグストアビジネスフェア

07/16(水)~07/18(金)
Aichi Sky Expo
自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展 2025 名古屋

▽大阪府

07/16(水)~07/17(木)
マイドームおおさか
保育博ウエスト

07/16(水)~07/19(土)
インテックス大阪
はたらく現場の環境展 2025

07/16(水)~07/19(土)
インテックス大阪
未来モノづくり国際EXPO 2025

▽福岡県
07/16(水)~07/17(木)
福岡国際センター
九州放送機器展 2025

【対談】展示会ビジネスの魅力と未来③ 堀正人 × 管埜寛之

マーケティングの代表格である「展示会」は、どのような役割を担い、なぜ必要なのか。この根本的な問いに対して、長年にわたり展示会ビジネスを手掛けてきた堀氏と管埜氏が対談を通じて思いを語る。展示会ビジネスの魅力とは何か、未来の展示会とはどのような姿なのだろうかを問う。(聞き手=池上龍朗)

※本記事は展示会専門紙『見本市展示会通信』に掲載した内容を編集したものです。

前回②はこちら

最近話題のトピックについて

ーー今回は3回目の対談となりますが、最初にお会いした時に「今のトレンドはどうなっているのか」というお話をいただいたと思うんですが、まずはそのあたりから。

 展示会業界が今後明るい未来を持つという前提で、現在のトレンドについて触れると、まず世界を見てみることが重要です。世界の展示会業界が抱える課題と、その解決の方向性には主に4つの柱があります。

1つ目は「サステナビリティ」。もちろんカーボンニュートラルといった環境への配慮も含まれます。2つ目は「AI活用」と「デジタル化の推進」。3つ目は「経営課題の解決」。売上や利益、生産性の向上といった経営上の課題に対する解決策として、企業や展示会のM&Aなどが挙げられます。4つ目は人材確保」です。これは世界的に共通した課題であり、解決に向けた取り組みが進んでいます。

ところが、日本はこれらの分野において非常に遅れているという評価を受けています。たとえば「日本の展示会産業は人材の将来性が見込めない」といった見方や、「PRや情報不足で世界からの注目度が低い」といった声もあります。しかし、これはピンチであると同時にチャンスでもあると思っています。世界の事例をしっかり学び、日本もそれを活かして展示会の価値を高めていくことができるはずです。

特に「サステナビリティ」はすぐにでも取り組むべき課題です。これを怠っていると、競合の展示会が優位に立ってしまう。今や出展者が展示会を選ぶ時代に入っています。つまり、「サステナビリティに取り組んでいるかどうか」が選ばれる基準になるんです。この点については、管埜さんとも一致していたんですが、サステナビリティへの取り組みは、ポジティブな見方をしますとビジネスとしても展開できるんです。たとえば、サステナビリティに感度の高い企業から協賛金を得る手段にもなりうる。こうしたトレンドに乗っている展示会や主催者は、結果的に人材確保にも成功しているんですね。

そしてもう一つ、明るい材料として最近のデータがあるんです。展示会場の面積が増えている、というものです。UFI(国際見本市連盟)の「グローバル・エキシビション・バロメーター」によると、2019年から2024年にかけて世界の展示会場の面積が109%伸びているということなんですね。これってすごいことなんです。

明るい兆しとして、日本 国内でのトレンドも大きく3つ挙げられると思います。1つ目は「国際化」です。世界情勢を見ると、アメリカは政治的に不安定で、ヨーロッパも景気が低迷。中国もセキュリティ上の問題を抱えています。そうした中で、日本は「安全で安定した投資すべき市場」として評価され、展示会産業にとってもポジティブな環境が整ってきています。

2つ目は「新しい領域の展示会」です。これはあまり公にはしたくないんですが(笑)、実は日本の主催者、特に日本人って本当に目のつけどころがいいんですよ。既存の産業領域が飽和している中でも、ニッチな分野に着目して、新しい展示会を生み出す力がある。再編集するシャープな力もある。これって本当にすごいことだと思っています。

3つ目は「展示会の地方開催の増加」です。これは国や自治体の支援もあって、地域経済への波及効果や地元産業の育成にもつながります。今後、ますますユニークな「その地域ならではの展示会」が地方から生まれてくる可能性が高いと思います。

管埜 私のほうからも少しだけ。個人的な見解ですが、展示会って「定期的に開催されるもの」というイメージが強いと思うんですが、たとえばAIの博覧会みたいに、2カ月に一度開催されるような例もありますよね。これはまた別の可能性としてーー。

その展示会は都内でもいろんな場所でやったりしますよね。それって本当に新しい活動だなと思っています。特にAIのように活用範囲が非常に広いテーマになると、単なるイベントとしてではなくて、「どの産業分野のAIなのか」という切り口が必要になる。

たとえば「生産分野のAI」や「医学分野のAI」など、サブテーマごとに展開できますよね。そこに参入する企業もまた違ってきますし、チャンスが増えていくわけです。今までのように「年に1回」とか「半年に1回」じゃなくて、もっと頻度を高くして、新しいモメンタムを作る動きが出てきていると聞いています。これは日本にとっても明るい兆しであり、新しいパターンが生まれつつあるのかなと感じています。

 それは本当にその通りだと思います。特に出展者側の視点から見ると、DX系の製品やサービスに関しては進化のスピードが非常に速い。実際、DX系の展示会って、毎月どこかで開催されているくらいです。それに対して「毎月出展するなんて」と言われがちですが、出展者側にはそれだけの価値があるのですよね。

管埜寛之氏(左)堀正人氏(右)

ーー今、ニッチな分野の展示会の話が出ていましたけど、どのあたりにそういうものがあるのか、ちょっと聞いてみたくなりますね。

 いろんな角度から展示会を編集ができるということですね。たとえば、働き方改革の展示会は、総務系なのかHR系なのか、いろんな側面がありますよね。編集がうまいというか、カスタマイズの発想がすごく柔軟。そういう編集の巧みさがあって、出展者の立ち位置・居場所が明確になるわけです。

ーーなるほど。サブテーマの絞り込みの話にも通じますね。

管埜 はい、まさにそうです。もともと僕が思っているのは、展示会ってメディアそのものなんですよね。テーマをどう切るか、どう構成するか。そこに読者(=来場者)がいて、出展者がいる。まさにメディアの考え方と同じなんです。だからこそ、ビジネスのいろんな関係者、ステークホルダーが集まって、活性化できる仕組みにすることが重要。サブテーマの切り方次第で、それは可能だと思います。

 その通りですね。主催者がサブテーマをフォーカスしてうまく編集することで、いろんな可能性が広がりますよね。

ーーもう一点、いわゆる〝逆輸入型〟の展示会です。これまでって、海外の展示会をそのまま日本に持ってくるって、あまりなかったと思うんですよ。フランスの「TRANOÏ」みたいに、海外でやっている大規模な展示会をINTEROP的に日本に持ってくるとか、そういう動きが増えてきた日本市場を、あえて舞台として選ぶという流れが来ていますよね。

管埜 以前からそういう話はちらほらありましたが、日本に良いパートナーがいれば、一緒にやろうという動きが本格化していますね。

私も個人的に関わったのですが、コロナ禍の前の話で、「スタジアム&アリーナ」っていう、スポーツ施設関連の展示会がありまして。大規模な主催者ではないところが、ずっとやっていたんですよ。彼らが以前にシンガポールで開催したものを、日本に持ってきたいと考えていたんですね。第1回を横浜アリーナでやることになったんですが、言葉の壁や文化の違いが障害になっていてなかなか苦労していた。それが偶然私たちと出会うことになり、「一緒にやりましょうか」となり、無事に開催できたんですね。そのことを通じて、日本はある意味では非常に閉鎖的なマーケットでもあるので、海外の主催者にとって「どうやってその壁を突破するか」という意味では、良いケーススタディになったと思っています。

 それで言うと、海外のある主催者が私のところに来たんです。自社主催の展示会のアジア展開を検討していた中で、「日本で開催するのがいい」と判断したそうなんですね。シンガポールでも開催してみたけど、結果的に「やっぱり日本だ」と。

これは評価項目やチェックリストなどの検証を経た上での判断です。たとえば、以前はアジアで1カ所だけ開催する場合、香港やシンガポールが主流だった。でも、今やそれが日本になってきている。これはまさに〝明るい兆し〞ですよね。

 

AIの運用と未来

ーーテーマが広がってしまいましたが、そろそろAI絡みのお話に進みたいと思います。

管埜 特に最近のUFI(国際展示会連盟)の市場バロメーターを見ていると、やっぱりどの分野でAIがどう活用されているかということが重要になっているようです。アンケート結果によると、AIが使われているのは、営業・マーケティング分野、それからリサーチ分野、さらにイベントプロダクション、つまり運営ですね。そして来場者管理、ここはまさに管理面で一番近いところだと思います。

 他にはどんな分野ですか?

管埜 リスクマネジメント。この5つの観点で、どう運用しているのか、活用が進んでいるのかというのが、最近のUFIのバロメーターに示されていました。それと同じように、IAEE(米国の国際展示会協会)が昨年12月に開催した「EXPO!EXPO!」でも、かなり大きなテーマとしてAIが取り上げられていました。

単に生成系AIを開発するだけでなく、そうしたAIを実際に組み込んで管理ソフトやアプリケーションを構築する動きが非常に活発になっています。効率化を進めること、また人的リソースが少なくても運用可能な仕組みとして、AIが活躍する。まさに今、日本でも盛り上がってきていて、イベントの管理や運営にどう活かすかが今後の課題だと思います。アメリカやヨーロッパでは、AIを組み込んだアプリケーションが開発され、既存アプリの進化も相当進んでいるとのことでした。

 非常に鋭い動きですね。たしかに、コロナのような感染症対策においても、AIは非常に有効だと思います。展示会場内の来場者の動きや登録情報の管理など、リスクマネジメントや来場者管理の視点から、AIは安全・安心な展示会運営に貢献するツールになるでしょう。

ーー大きな展示会だと、受付に長蛇の列ができるのが一般的ですが、そこにも応用できるのでしょうか?

管埜 それをどう効率的に流すか。たとえば、どれだけの受付を設ければスムーズにフローできるかという設計は、まさにAIの得意分野です。それは来場者にとっての安全性にも直結しますしね。

 そうですね。来場者にとっても、自分の興味のあるエリアに効率的に行けるような導線設計は非常に重要です。そして主催者側にとっては、来場者がどう移動したかのデータを分析することで、レイアウトの最適化が可能になります。

管埜 経験則で「縦に配置したほうが良い」とか「横に置いたほうが良い」といった議論も、データで検証できますよね。来場者の動線を分析してより効果的な宣伝活動や配置計画に活かせます。

 まさに展示会に必要なマーケティングナレッジですね。

管埜 たとえば、ある来場者が特定の製品を見に来た時には、どういうルートを辿ったのか、どこでどれくらい滞在したのかという情報が得られれば、出展者にとっても非常にありがたいデータになります。

 そうですね。目的がはっきりしない来場者も多い中、そういった情報をもとに集中してターゲティングできるのは大きな利点です。たとえば、AIを使って、来場者が展示会の約3カ月前から、出展者と事前に時間を決めて面談予約をしておく、というような工夫もあります。

 

展示会ビジネスにおけるデータ活用

管埜 たしかに。コロナがひとつのきっかけだったんでしょうね。おそらくデータは以前から存在していたんです。ただ、そのデータをどう活用するか、どう読み解くかということが問題だった。

たとえば、ある展示会で「来場者はこれだけ」「関東から何パーセント、大阪から何パーセント」というようなデータがありますよね。数年分のデータを見て、関東からの来場が減少し、地方からの来場が増加している傾向があるとすれば、それは「地方開催の可能性が高まっている」という主催者へのヒントになります。これまでは固定的にデータを一つひとつ分析していたところを、AIならさまざまなデータを統合して、「こういうトレンドがあります」と示してくれる。それは、主催者にとっての企画やマーケティングに大きく活かせるのではないでしょうか。

 まさにその通りですね。BtoBの世界では展示会とインターネットはリード獲得という点では競合するメディアだったのに、今になってようやく本格的に相互補完としてそれぞれの強みを再評価して使うようになったというのが今更ながら驚きです。

ーー来場者にとっても、興味のある情報を入力するだけで最適なルートを提示してくれる。そんな仕組みが今後求められていくのではないでしょうか。

管埜 よく業界の方で「コロナを経て対面の価値が高まった」と言いますが、そこにAIが加わることで、展示会はさらに強力なマーケティングメディアへと進化していると感じます。AIの進化によって、出展者の効果測定も可能になりますし、今ではDX系の展示会などでは、AIやネットを活用して、来場者数や商談数を即時に公表している例もあるんですね。

 リアルタイムでの数値開示をしている現実、すごいですよね。

管埜 それによって出展者も主催者も緊張感を持ちますし、出るか出ないかの判断もデータをもとにできます。透明性が高まるというのは、マーケティングツールとしての展示会の価値をさらに高めることになります。

 とても良い傾向だと思います。来場者も出展者も、ますますITリテラシーが高くなってきていますよね。

ーー話の方向性を変えまして、世界的には、展示会業界のプレーヤーが経営状況を定点で共有し公表をしています。今まではそこまでの指標を求められていませんでしたが、今後は、確実にそういった雰囲気に変わっていくと思っています。

管埜 まさにその通りです。これまでの指標と言えば、小間数・出展者数・来場者数のような、10年前と何ら変わらないものばかりでした。でも本来なら、もっとお金に関わる指標が出てきてもいいはずです。

 そうですね。企業の利益、展示会ごとの利益、人件費の割合や増減の割合(%)など、共有すべき指標はたくさんあります。海外ではその共有を定期的に当たり前にやっていますね。

管埜 上場企業であるなら、必然的に公開しなければならないんですよね。

 

展示会の持つパワー(力)について

管埜 では、今月に予定している我々の「書籍化プロジェクト」にも絡めて、お話ししましょうか(笑)。

今回お話を伺った12社の代表者からお話しをお伺いしてみたのですが、展示会の「高度化」「サステナビリティ」「地方開催」「人材育成」「安全・安心な開催」「統計整備」「MICE業界との連携」ーーこれらがほぼすべての方から挙げられた共通キーワードでしたね。

 それに加えて、多くの方が共通しておっしゃっていたのは、「展示会は大きな経済効果を生み、人を動かす魅力のあるビジネスだ」ということでした。ここでも「展示会の力」をもっと広く伝えるべきだという声が強かった。

管埜 まさに、今回予定している「書籍化プロジェクト」もその一助になることを目指しています。こういった活動を通じて、展示会ビジネスの価値をより多くの人に知ってもらいたいと思います。そして、自分たちの仕事にもっと誇りを持てるようになってほしいですね。それに、今回お話を伺った12
社すべてが、ほとんど同じような意見を持っていたというのも印象的でした。

ーー3度にわたり、興味深いお話をありがとうございました。

 

 

【新施設】サッカーSC相模原が神奈川県海老名市に多目的スタジアム整備を計画

サッカーJ3のSC相模原は6月30日に「スタジアム整備計画」をJリーグ宛てに提出した。

提出した「スタジアム整備計画」によると設置場所は神奈川県海老名市内、規模はJリーグスタジアム基準(J1基準)1.5万人以上の席数を満たす多目的スタジアムとなっている。

代表取締役社長 西谷 義久氏は、「海老名市におけるスポーツ・文化の発展やシティブランドの向上に貢献していきたい」とコメントしている。

【レポート】東京ビッグサイトで「コンテンツ東京」が開催

東京ビッグサイト西展示棟で7月2日から4日、「CONTENT TOKYO コンテンツ東京」が開催された。

構成展のうち、「イマーシブテクノロジーEXPO」は初開催だった。

「イマーシブテクノロジーEXPO」は、「イマーシブテクノロジーを活用して、顧客のリアル体験を向上させたい」と考える企業のマーケティング・ブランディング担当者、エンタメ・観光、商業施設・店舗関係者向けの展示会。

超高精細ディスプレイ・ホログラム・香り演出体験テクノロジー・3D音響・空間オーディオ・デジタル味覚・電気味覚・触覚フィードバックハプティクス・没入型プロジェクションマッピング・インタラクティブ映像・イマーシブコンテンツなど、リアル体験に特化した五感を刺激する最新のイマーシブテクノロジーが出展した。

■構成展
第17回 ライセンシングジャパン
第16回 クリエイターEXPO
第15回 映像・CG制作展
第13回 広告クリエイティブ・マーケティングEXPO
第13回 コミュニケーションデザインEXPO
第1回 イマーシブテクノロジーEXPO